NPO法人珊瑚舎(さんごしゃ)スコーレ(那覇市樋川)が運営する自主夜間中学校に対する県教育庁の支援事業が昨年度で打ち切られた問題で、平敷昭人教育長は8日、「戦中戦後の混乱による義務教育未修了者については、早期に支援する方向で調整している」と述べ、年度内に事業を事実上復活させることを明らかにした。従来の内容をおおむね踏襲し、講師料や光熱費の補助を検討している。

平敷昭人県教育長(左)に署名を手渡した星野人史・珊瑚舎スコーレ理事長=8日、県教育庁

 珊瑚舎の星野人史理事長らが同日、夜間中学への支援を求める2万305人分の署名を提出した際に、平敷教育長が表明した。

 従来の支援事業は、沖縄戦の影響を最も強く受けた1932~41年生まれの人が対象。復活する事業も、この「10年枠」を引き継ぐ。

 ただ、この年齢枠以外でも、長期化した戦後の貧しさや病気などさまざまな理由で義務教育を受けられなかった人は多く、近年は外国人の入学希望も増えていることから、珊瑚舎側は対象拡大を以前から求めている。

 教育庁は復活する事業で対応できない義務教育未修了者については、現在検討を進めている公立夜間中学の枠組みの中で支援の在り方を議論する。

 星野理事長は面談後、「事業を元に戻す決断をしてくれたことはありがたいが、物足りない面もある。『戦後処理』にとどまらず、あらゆる人の『学ぶ権利の保障』という位置付けで次の段階に進めてほしい」と述べた。

 同夜間中学には現在、15人の生徒が在籍し、うち5人は10年枠に当てはまる。