沖縄県名護市辺野古の新基地建設工事が進むにつれて米軍キャンプ・シュワブゲート前の渋滞が激しくなり、路線バスも迂回(うかい)する事態になっている。抗議行動への非難が聞かれるが、現場で観察すると工事車両の増加がより大きな要因になっているようにみえる。(北部報道部・阿部岳)

1日当たり工事車両の推移

 沖縄防衛局による資材の搬入は大体午前9時、正午、午後3時の1日3回。市民数十人から百数十人が座り込み、県警機動隊が強制排除する。埋め立て用の砕石を積んだダンプや生コン車など、国道329号の那覇向け車線に長蛇の列ができる。

 沖縄バスは5月21日からの平日、77番名護東線の那覇向け路線でこの時間帯に現場を通る3便の迂回運行を始めた。「第二辺野古」など周辺の4バス停を通らないルートになる。

 担当者は「30分ほどの遅れが出て、後ろの便にも影響している。乗客の利便性と安全性確保を考えた」と説明する。

 渋滞に巻き込まれたバスの車内で高齢者が「病院に間に合わない」と運転手に訴えたことや、中南部のバス停で待つ乗客からの苦情電話があったという。

「住民は迷惑」

 「皆さんの座り込みで渋滞が発生しています」。ゲート前で強制排除する際、警察官や防衛局職員が市民に繰り返し告げる。パトカーもマイクを使って一般車両に同じ内容を伝えている。県警交通企画課は「違法な座り込みで車両が入れず、国道に滞留することが渋滞の主な原因だ」との見解を示す。

 辺野古区の住民にも「反対運動をするにしても住民に迷惑を掛けないでほしい」(70代男性)という意見がある。市役所にも苦情が寄せられており、渡具知武豊市長が山田聡名護署長に電話で改善を要請した。

「運動を攻撃」

 抗議行動の側はどう考えているのか。リーダーの一人、県統一連の瀬長和男事務局長は「渋滞は一度に100台もの工事車両が殺到している影響の方が大きい。違法工事で原因をつくっておきながら、やむにやまれぬ私たちの運動を攻撃している」と反発する。

 確かに工事車両は増えている。工事が始まった2014年当初は1日10台程度だったが、今年2月の名護市長選翌日に300台を突破。現在は最多で394台に達している。砕石を大量に使う護岸建設の加速も関係しているとみられる。

 工事車両増加と渋滞との関係について見解を尋ねると、防衛局は直接答えなかった。「通勤時間帯を避けて車両を出入りさせるなど、周辺住民の生活環境への影響を少なくするよう努力している」とだけ述べた。