「琉歌で残そうウチナーグチ」をキャッチフレーズに、エフエムやんばるでは毎月第1月曜日午前11時から「やんばる歌の会」を放送している。ラジオパーソナリティーを務めるのは、名護市文化協会しまくとぅば部会事務局長の上原仁吉さん(74)と妻直子さん(70)、同部会会長の崎濱秀徳さん(87)の3人。番組では琉歌を耳なじみの沖縄民謡の替え歌にして聞かせる。「ウチナーグチが全く分からない人にも聞いてほしい」。仁吉さんが優しくリスナーに語りかける。(北部報道部・城間陽介)

和やかな雰囲気で進む「やんばる歌の会」の放送。崎濱秀徳さん(右手前)、上原仁吉(左)、直子さん夫妻が琉歌の魅力を伝える=4日、名護市・エフエムやんばるスタジオ

共通語解説も 初心者に配慮

 琉歌とは何ぞや? 番組は毎回その説明から始まる。取り上げる琉歌は、上原さん夫妻が主宰するサークル「琉歌伊集の会」メンバーが作ったもの。直子さんがウチナーグチで朗読した後に、仁吉さんが共通語で解説する。

 八八八六語調は、沖縄民謡であればどの曲にも当てはまるという。崎濱さんが手作りした三線で、民謡「てぃんさぐぬ花」「赤田首里殿内」「本部ナークニー」の曲に乗せて、即興で琉歌を歌う。初心者にも、琉歌の魅力を分かりやすく伝える構成だ。

 生放送中、オリジナルの歌詞と混同して間違うこともある。「これも、ご愛嬌(あいきょう)」と、崎濱さんは笑う。

 琉歌には季節描写と、それに呼応する個人の思いが込められる。

 「同(ゐ)ぬ伊集どやしが 詠だる琉歌見りば 汝胴などぅぬ想い 語る如さ」

 「揺りぬ月桃ぬ 薫る節なりば 慰霊の日間近 平和願ら」

 かつて琉歌は、生活の中に身近にあった。夕方になると、若い男女が海辺や原っぱに集って歌遊びに興じる、毛遊(もうあし)び。仁吉さんは「昔は即興で替え歌を作って愛を伝えたり、あるいは男同士でバトルすることもあった」と笑う。

 番組を始めて4年目。なかなか琉歌の投稿は増えない。直子さんは「聞くだけリスナーが多いんです」は残念そう。仁吉さんは番組の最後に呼び掛ける。「100年、200年残る歌はやはり愛の歌。一見普通の新しい歌も読み継がれることで角が取れて丸みを帯びる。どんどん作った琉歌を寄せてほしい」