福島県郡山市出身の須藤保さん(69)=那覇市在住=が、第68回沖展の書芸部門で通算3度目の入選を果たした。東日本大震災や福島第1原発事故を機に、2012年沖縄へ移住。同年、沖展会員の東江順子さんに師事し、石に篆(てん)書体の文字を彫る「篆刻」の技芸を沖縄の地で高め続けている。

第68回沖展の書芸部門で通算3度目の入選を果たした、福島県出身の須藤保さん=3月28日、沖縄タイムス社

 書道歴はブランクもあるが約40年。篆刻のことは知っているつもりだったが、「芸術作品であると認識したのは東江先生との出会いから」と言い、「先生の教えは厳しいが、切れ味のある作風が素晴らしい」と師の作品の魅力を語る。

 東江さんは「まじめで、学ぶ姿勢が謙虚。漢字の基礎ができており、将来性がある」と須藤さんへ期待を込めた。

 須藤さんは沖展について「沖縄の芸術作品の質の高さを実感する。書芸作品だけでも毎年200点以上が展示され68回も継続している展覧会は福島にはない」と評価した。

 これから取り組みたいのは篆刻を楷書体などで分かりやすく説明文として彫る「側款(そっかん)」の技法だ。妻と座間味島などへ旅行することもある。「沖縄の海を眺めながら創作する。最高ですよね」と目を輝かせた。