待機児童に関する沖縄タイムスのネットアンケートでは、6割以上が認可園に落ちた理由を「保育園・保育士不足」と回答した。現場で働く保育従事者は毎年増えている一方、働く女性が増え、入園希望者が予想以上に増加。低賃金で厳しい労働環境のために保育士が定着していないため、受け皿が足りていない現状が浮かび上がった。(デジタル部・與那覇里子)

那覇市役所に掲示された保育士募集のポスター

那覇市役所に掲示された保育士募集のポスター

 県内の2015年度の保育士登録者は1万9776人。毎年千人前後が保育士として新たに登録し、増加傾向にある。実際に認可・認可外園で働く保育士も過去5年で1375人増え、15年度は9684人だった。

 保育士の増加に伴い、認可・認可外園に入園できる児童の数も年々増えている。15年度は5万7762人が利用し、前年度から1412人増。認可園は433園で、復帰後初めて認可外園の428園を上回った。

 一方で働く女性が増え、待機児童も増加。15年度は2591人で、14年度から431人増。東京に次いで全国で2番目に多い数字となった。保育士も保育園に入れる児童の数も増えているが、入園を希望する児童数も増え、受け皿が追いついていない。

 受け皿を増やすためにはさらに保育士が必要だが、保育士として働いていない「潜在保育士」は現場で働く保育士の数を上回る。過去5年で2101人増の1万92人。保育士登録者の51%が「潜在」となっている。ニーズと反比例し、保育士は現場から遠のいている。

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 保育士になってもなぜ、現場に定着しないのか。待機児童が全国の市町村で3番目に多い那覇市の担当者は「給与の安さ」を挙げる。県内保育士の平均給与は、国の14年調査で月18万1500円。全国平均の21万6100円を大きく下回る。3月に発行された求人誌には、正社員で12万5千円~、パート時給は700円~と記載され、極端に低い。

 しかし、保護者は毎月、保育料を納め、行政は補助金を充てているのに疑問が残る。那覇市に取材したところ、低賃金となる仕組みはこうだった。

 ある那覇市の認可園の場合。厚生労働省が定めた0歳児の単価は1人18万円。それを保護者、行政が負担する。所得に応じて保護者の支払額が決まり、最高額5万3千円、生活保護世帯が0円。18万円から保護者の支払額を差し引いた半分を国が、その残りの半分ずつを県と市がそれぞれ負担する。保育士1人で0歳児3人を担当できるため、1人の保育士に18万円×3人の合計54万円が園に配分される計算だ。

 保育単価は0歳児が最も高く、4歳児になると4万円まで下がる。1人の保育士が見ることができる4歳児の人数は20人で、保育料は約80万円となる。

 この金額には施設費、給食費、事務員や調理員、園長の給与も含まれる。市内の認可園では、全体の経費のうち人件費が8~9割を占めており、経営に余裕がない。

 那覇市こどもみらい課の徳嶺克志課長は「国が保育士の収入につながる保育単価を引き上げる必要があるのではないか。シフト制で休みが取りにくい上、保護者のクレーム対応にも追われる。厳しい労働環境の保育士の給与を上げないと定着は難しい」と指摘した。