那覇-名護を約1時間で結ぶ沖縄鉄軌道のルートが、技術検討委によって4案に絞られた。地図で示された案を見て、どうしても違和感がぬぐえなかった

 ▼鉄道の場合、人口が多く、経済効果の大きい地域を通る。同時にできるだけ最短距離を考えるはずだ。山などの障害物がある場合は別だが、九州新幹線でも開業したばかりの北海道新幹線でも、ほぼ最短距離で地域をつなぐ

 ▼沖縄の4案はいびつだ。本島西側を通る案や東側を通る案のほかに、西側を通った後に東側へ、逆に東側から西側へルート変更する案がある。なぜ真っすぐでなく、くねくね曲がる必要があるのだろう

 ▼そう、米軍基地の存在である。普天間飛行場や嘉手納基地、キャンプ・ハンセンなどを迂回(うかい)している。検討委では基地の議論はこれからだが、結局は遠回りせざるを得ない

 ▼米軍基地のなかった戦前、県営鉄道(軽便)は、ハンビー飛行場のあった北谷町の商業地や嘉手納基地も通っていた。沖縄戦で壊滅したが、名護まで延伸する計画もあった。今、モノレールは走っているものの、むしろ戦前の方が鉄軌道は充実していた

 ▼戦後70年たっても、広大な米軍基地があるため、鉄軌道を主体とするまちづくりに支障が出ている。「基地は沖縄経済発展の最大の阻害要因」は、ここにもある。(玉寄興也)