米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機が那覇市の南海上に墜落した。操縦士は那覇市の南約90キロの海上で緊急脱出し、空自那覇救難隊に救助された。生命に別条はないという。

 もし民間地域に墜落していたら、と考えると、強い恐怖を感じる。

 県や嘉手納町などが求めるように、政府は米軍に同型機を飛行停止させるべきだ。

 防衛省沖縄防衛局は米軍に、情報提供や安全管理の徹底、再発防止策を申し入れた。理解できないのは飛行停止には触れていないことだ。飛行停止を求めないのは住民の不安を置き去りにするもので、当事者意識に欠ける。

 米空軍は夜になって「安全確保のための手順を見直す間、現地での訓練飛行を一時的に停止する」と発表した。一時的でなく、原因究明と再発防止策を徹底するまで停止しなければならない。

 墜落したF15は計7機で訓練していたという。早朝に複数のF15がF22最新鋭ステルス戦闘機とともに嘉手納基地を離陸したことが目撃されている。F15とF22が異機種の空対空訓練をしていたとみられる。14機のF22が米本国から1カ月間の予定で「暫定配備」されたばかりだ。異機種で危険性の高い訓練をしていたのではないか。

 訓練の詳細な情報は日本側に通報されることもなく、政府も求めることをしない。米軍は制限を受けずやりたいように訓練ができる。県民の不安よりも米軍の訓練を優先させ、その結果、県民が危険にさらされているのである。

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 普天間飛行場と嘉手納基地の米軍機が事故やトラブルを繰り返している。

 2016年12月に、MV22オスプレイが名護市安部沿岸の浅瀬に墜落。17年10月にはCH53大型輸送ヘリが東村高江の民間地で大破、炎上。12月にはCH53の窓が普天間第二小の運動場に落下した。

 18年1月にはうるま市・伊計島にUH1多用途ヘリ、読谷村のホテル近くにAH1攻撃ヘリ、渡名喜島のヘリポートにAH1が不時着した。伊計島には昨年1月にもAH1が不時着している。

 県外でも不時着が頻発し、もはや異常というほかない。

 米軍機が事故を起こしても、原因究明や再発防止策が不十分のままなし崩し的に飛行再開する。日本政府も追認する。こんなパターンが続く。

 翁長雄志知事が「先進国でこういう国はないのではないか」と強い口調で非難したのは当然である。

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 米軍が駐留するドイツやイタリアではどうか。

 比較調査した県によると、ドイツでは空域演習にはドイツ側の承認が必要とボン補足協定に明記されている。野外演習区域や射撃場の使用もドイツ側の許可が必要で、施設外演習は国防大臣の同意を得なければならない。

 イタリアでも米軍の訓練はイタリア軍司令官への事前通告やイタリア側による承認などが取り決められている。

 両国とも自国の法律や規則を米軍に適用し、自国の主権を確立しているのである。両国と比べ日本の「属国」ぶりに驚くしかない。