大弦小弦

[大弦小弦]パラシュートを取り付けた米軍の大型トレーラーが…

2018年6月12日 08:27

 パラシュートを取り付けた米軍の大型トレーラーが、風で流れて落ちてくる。1965年6月11日、読谷村親志。車両は電柱にぶつかって向きを変え、落ちた所に小5の女の子がいた

▼まだ11歳だった女の子。いとこの十三祝いで着物やごちそうを見て、「来年は私よ」と楽しみにしていたという。尊い命が奪われてから11日で53年が過ぎた。もうなのか、まだなのか

▼米軍占領下、「落ちた場所にいる方が悪い」という時代。姉を突然失ったショックから、幼い弟が描くのはパラシュートの絵ばかり。傷心の遺族は遺骨を抱き、南米に渡った。今、現場には住宅が立ち並び、事件を想起させるものはない

▼米軍は半年前、緑ヶ丘保育園の屋根に部品を、普天間第二小の校庭に窓を相次いで落とした。1人の負傷者も出なかったのはたまたまで、1965年の事件と何が違うのか。53年前と何が変わったのか

▼嘉手納中と普天間第二小は先週、米軍機墜落を想定した避難訓練を行った。こんな訓練をやらざるを得ない子どもたちが、日本のどこにいるだろう。沖縄の異常な日常

▼命日に、米軍F15戦闘機が那覇沖に墜落した。「子どもに『もう大丈夫だよ、空からは雨しか降ってこないよ』と言えるように行動する」。緑ヶ丘の園児の母親の言葉を、女の子にも伝えたい。一日でも早く。(磯野直)

基地で働く―軍作業員の戦後
沖縄タイムス社
沖縄タイムス社
売り上げランキング: 352,603

あわせて読みたい

関連リンク

大弦小弦のバックナンバー

沖縄関連、今話題です(外部サイト)

JavaScriptをOnにしてください

アクセスランキング

ニュース 解説・コラム