プラスチック製のストローが鼻に刺さったウミガメの痛々しい映像を目にした人も多いかもしれない。世界中で海鳥や魚などの体内からプラスチックやビニール袋の破片なども見つかっている

▼プラスチックごみの海への流出は年800~1200万トンともいわれる。冒頭は、海洋ごみが生物の命や生態系を脅かしている一例にすぎないだろう

▼カナダでの先進7カ国首脳会議(G7サミット)で、海のプラスチックごみを減らすため規制強化を進める憲章に、日本と米国を除く5カ国と欧州連合(EU)が署名した。日本は「準備が整っていない」との理由だが、環境団体などから批判が相次いでいる

▼無理もない。海洋ごみ削減が話し合われたのは今回が初めてではないから。2015年のドイツ開催時には行動計画が策定され、16年の伊勢志摩サミットでも海洋ごみの対処を再確認した。その間、日本の対策は進んだのか

▼プラスチック製品は生活に欠かせない。だからこそ、廃棄やリサイクル促進など規制強化の試みは国際潮流だ。海外では大手企業が海洋ごみを再利用した商品開発やストローの利用停止など自主的な取り組みが始まっている

▼国内でも民間や自治体などでごみを減らす地道な活動は続くが、それでは足りない。海洋ごみ削減の国際水準に立った旗振り役が必要だ。(赤嶺由紀子)