4カ月で500回以上、多い日は1日20回も避難を繰り返す。あまりに異常である。

 米軍普天間飛行場に隣接する普天間第二小学校の運動場に、8キロ近い米軍ヘリの窓が落下してから13日で半年がたった。運動場の使用は2カ月後に再開されたが、児童は今も米軍機が近づくたびに、学校の方針に従い屋根のある場所へ避難する。

 飛行機が落ちてくるかもしれないと、授業や遊びが中断される小学校が一体日本のどこにあるのか。日常的な避難は憲法が保障する「教育を受ける権利」をも侵害する。

 再開された米軍F15戦闘機の飛行も、住民の安全への懸念を置き去りにするものだ。

 嘉手納基地所属のF15が本島近海に墜落してから2日しかたっていないにもかかわらず、米軍は13日、同型機の飛行を強行した。

 原因究明まで飛行停止を求める県の申し入れは無視され、再発防止策の説明さえない。米軍に追随するように「安全を確認した上での判断なのだろう」と話す防衛省。当事者能力を欠いた対応は子どもの使いのようだ。

 名護市辺野古の新基地建設を巡って12日、沖縄防衛局は海域の一部を埋め立てる土砂を8月17日から投入すると県へ通知した。

 透けるのは秋の知事選をにらんでの既成事実化だ。県が指摘する「留意事項違反」に丁寧に答えることなく、投入を急ぐのは政治的理由からだろう。

 国家の安全保障のために住民の暮らしが脅かされ続ける基地沖縄の状況は、公平・公正に明らかに反している。

■    ■

 史上初の米朝首脳会談で、トランプ米大統領と北朝鮮の金(キム)正恩(ジョンウン)朝鮮労働党委員長が約束したのは「新たな米朝関係の確立」だった。米朝の敵対関係を解消し、朝鮮半島の非核化促進を確認し合ったのである。

 非核化の具体的手順には触れていないが、共同声明で両国首脳が約束した共通の目標を確実に前へ進め、東アジアに唯一残る冷戦構造に終止符を打つべきである。

 トランプ氏は会談後の記者会見で、「将来、在韓米軍を縮小したり撤収させたりする可能性がある」とも語っている。

 今のところ不確定要素が多いものの、北朝鮮の脅威が大幅に緩和されれば、基地沖縄を取り巻く事情は大きく変わる。

 東アジアの変化のうねりを、沖縄の基地問題の解決に結び付けていく取り組みが必要だ。

■    ■

 県に求めたいのは、新基地建設に反対するだけの受け身の対応ではなく、大局観に立った基地対策である。

 今年2月、県議会は相次ぐ米軍ヘリ事故に抗議し、「普天間飛行場の即時運用停止」「在沖米海兵隊の国外・県外移転」を全会一致で決議した。

 名護市長に就任した渡具知武豊氏も「海兵隊の県外・国外移転」を公約に掲げての当選だった。

 与野党で一致するこれら要求をよりどころに、県民全体が納得できる基地対策を早急に打ち出すべきだ。