そこに一歩足を踏み入れると、たくさんの歴史が出迎えてくれる。米軍関係車両の黄ナンバー、コザ騒動を伝える号外、サイン入りドル紙幣…。タイムスリップした気分も味わえる

▼4月から2度目の中部支社勤務となり、沖縄市のパルミラ通りにある市戦後文化資料展示室「ヒストリート」を久しぶりに訪ねた。戦後史を肌で感じることができる貴重な空間。商店街の一角にある肩肘張らない構えが面白い

▼空き店舗に悩む商店街の活性化は多くの自治体が抱える課題の一つだが、あらためて歴史をコンテンツにした街づくりや商店街の活性化ができないものかと思う

▼ヒストリートでは、商店街の変遷や戦世(いくさゆ)の子どもなどをテーマに多くの企画展を開催してきた。発信拠点の役割は大きいが、商店街と連携して歴史と向き合えるカフェや雑貨店など新たな取り組みがあってもいい

▼昨年は各地で戦後70年を振り返る催しがあった。戦争体験者が少なくなる中、節目ではなくても日ごろから身近に歴史に触れることができる環境を提供することが重要だ

▼市が発刊する小冊子「KOZA BUNKA BOX 第12号」は編集後記で、戦後の情報収集と発信を続ける理由をこうつづる。「単なる歴史の復習ではなく、現在・未来へ向けた予習と信じるから」。この精神が街の活性化の鍵となろう。(赤嶺由紀子)