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  • 米軍嘉手納基地より南の6施設・区域の返還合意から3年
  • 1048ヘクタールのうち返還されたのは53ヘクタール
  • 大半が県内移設が条件で、人口の少ない北部に機能集約する構図

 米軍嘉手納基地より南の6施設・区域に関する大まかな返還時期や条件を定めた統合計画に日米両政府が合意してから、5日で丸3年となった。返還予定の1048ヘクタールのうち、これまでに返還されたのは53ヘクタール。政府は大幅な負担軽減につながると強調し、懸案の普天間飛行場の名護市辺野古移設を受け入れるよう求める。沖縄県は県内移設の条件が多く、他の都道府県との不平等は解消されないとけん制する。(特別報道チーム・福元大輔)

嘉手納基地より南の土地返還

 2013年8月に浦添市の牧港補給地区(キャンプ・キンザー)北側進入路1ヘクタール、15年3月に宜野湾市のキャンプ瑞慶覧西普天間住宅地区52ヘクタールが返還された。「14年度またはその後」とされている牧港第5ゲート付近2ヘクタールは返還されていない。

 残りのうち841ヘクタールは県内での機能移転が条件だ。普天間飛行場は辺野古移設が完了すれば、22年度以降の返還と明記。沖縄防衛局は14年7月、移設事業に着手したが、翁長雄志知事が15年10月に埋め立て承認を取り消した。ことし3月から工事は中断している。

 牧港補給地区は24年度以降の返還に向け、倉庫群の移転が条件。嘉手納弾薬庫知花地区への移転に、桑江朝千夫沖縄市長は移転先の交通渋滞の解消などの条件を提示、判断を先送りしている。トリイ通信施設への移転に石嶺傳實読谷村長は昨年12月、「基地問題解決のため」と容認した。

 一方、日米両政府は昨年12月、渋滞緩和を目的に地元から要望の強かった普天間飛行場東側の4ヘクタールと牧港補給地区の国道58号に隣接する3ヘクタールを17年度内に先行返還することで合意。西普天間地区の跡利用を促進するため、キャンプ瑞慶覧インダストリアル・コリドーの一部を日米で共同使用することも決めた。

 政府は1048ヘクタールの返還で「嘉手納より南の米軍基地の68%が返還される。人口の多い中部地区で広大な土地が戻れば、経済効果も大きい」と推進。辺野古移設を「基地機能強化」と指摘する県に対し、「統合計画全体では大幅な負担軽減だ」と反論する。

 ただ、県全体の米軍基地では「約4・5%」にすぎない。目の届きにくい嘉手納以北に機能を集約する構図だ。固定化を招き、沖縄21世紀ビジョンの将来像「基地のない平和で豊かな沖縄」は遠のくことになる。

 在日米軍専用施設面積に占める県内の割合は、「73・8%から73・1%」の0・7ポイントの減少だ。

 翁長知事は菅義偉官房長官との会談などで「本土の人は相当負担軽減が進むと思うかもしれないが、県内移設が条件だからパーセンテージは減らない」と政府との認識の違いを示している。