沖縄ガス(那覇市、我那覇力蔵社長)と新電力大手のイーレックス(東京、渡邉博社長)は5日、電力の小売り事業を手掛ける新会社「沖縄ガスニューパワー」を設立した。4月からの電力小売りの全面自由化を受け、沖縄県内で新たな販路の開拓に乗り出す。太陽光発電を主体に電源を確保し、10月から業務用電力を沖縄電力より安く販売。将来的には家庭用の販売を視野に入れており、自前の電源を確保するため、発電所の建設を検討する。

電力小売りの新規参入に向けて意気込む、沖縄ガスニューパワーの(左から)大城邦夫営業部長、湧川直明社長、田中稔道専務=5日、那覇市・沖縄ガス内

 沖縄ガスは那覇市など約8万世帯に都市ガス、プロパンガスを供給し、販路網や営業力を持つ。イーレックスは2001年から電力小売りに参入し、工場や商業施設など業務用の売電実績が豊富。両社は互いの強みを生かし、沖縄で売電事業を展開することに合意した。

 イーレックスは、バイオマス発電事業に取り組んでおり、高知県や大分県(建設中)に発電所を所有する。沖縄は本土と系統が接続されておらず、電力の調達が難しいため、県内での発電所建設を検討。土地や燃料費、市場規模などの課題はあるが、仮に大分の佐伯発電所(出力5万キロワット)クラスを建設すれば、約8万世帯に電力を供給できるという。

 新会社は資本金1千万円で、沖縄ガスが4割、イーレックスが6割出資。社長には沖縄ガスの湧川直明常務、専務にはイーレックスの田中稔道執行役員が就任する。両氏とも代表権を持つ。

 初年度は大型の太陽光発電施設を持つ企業と契約し、2千~3千キロワットの電力を確保。ホテルや工場など20~30カ所に販売する計画だ。

 湧川社長は「これまで培った顧客との信頼関係を生かし、安価なエネルギーと新発想のサービスを提供したい」と決意を述べた。田中専務は「地元企業と組むことで顧客からの信頼を得られる。そう遠くない将来に発電所建設のめどを付け、家庭向けにも参入したい」と意欲を示した。