その昔絶望の淵に沈んでいた私に、掴(つか)まれ!とその手を差し出してくれたのは古い友人たちだった。

「30年後の同窓会」

 ドクは、戦死した息子の遺体を故郷に連れ帰る旅に長年音信不通だった友人2人を誘う。30年前、3人に起きた事件はそれぞれの心に癒えることのない深い傷を残していた。それでも3人は、自分たちが従事した理不尽な戦争体験も含めて、若き日のむちゃな行動を懐かしみながら、何がなんでも自分たちで遺体を故郷へ運ぼうと団結する。

 悲劇がもたらす再会だが、そんな時だからこそ人の本音も垣間見えるもの。少年に戻ったかのような彼らが、止まったままの時間を再び刻むことで、乾いた心を潤していくのが何ともうれしい。

 何歳になっても頼りになるのは友。“苦しい時はまず食べる”。私が友から教わった原始的な回復法だ。(スターシアターズ・榮慶子)

◇サザンで上映中