沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄防衛局が8月17日に予定する埋め立て土砂投入に対抗し、県が工事中止命令を出す検討をしていることが15日、分かった。大浦湾側で明らかとなった軟弱地盤の対応が不十分なことを主な理由とする。県は辺野古問題が重大局面に差し掛かることを受け、中止命令で暫定的に工事を停止させた後に、翁長雄志知事の埋め立て承認撤回に踏みきる考え。

(資料写真)護岸工事が進む名護市辺野古のキャンプ・シュワブ周辺=5月30日

辺野古問題のスケジュール

(資料写真)護岸工事が進む名護市辺野古のキャンプ・シュワブ周辺=5月30日 辺野古問題のスケジュール

 県はこれまで環境や法律の専門家と定期的な会合で辺野古阻止に向けて協議しており、埋め立て撤回に加え中止命令も検討を進めている。

 中止を命令した場合でも、防衛局は行政不服審査法を根拠に対抗することが予想される。工事停止は数日程度にとどまる可能性があるが、県は「あらゆる手法」(翁長知事)を行使した上での承認撤回を見通している。

 中止命令の根拠は(1)前知事が埋め立て承認の条件とした留意事項(2)公有水面埋立法(公水法)―の2点。

 県は沖縄防衛局のボーリング調査で明らかとなった軟弱地盤を巡り、大幅な設計変更の必要があると指摘。留意事項に基づき、工事の実施設計書を軟弱地盤に対応する内容に変更することを防衛局に命令し、提出があるまでは工事を中止させる。

 また、公水法には知事が工事を中止させる権限は規定されていないが、同法は設計を変更する場合に知事の許可が必要としているため、変更許可の申請を命じる。

 中止命令は、県内の弁護士や行政法学者ら6人でつくる撤回問題法的検討会が県に提出した意見書にも新基地建設を阻止する手段の一つとして盛り込まれている。知事は公水法に基づき公有水面の管理権があるため、不適切な工事や違法行為がある場合は、事業者に中止命令を出すことができるとしている。