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[読書]「沖縄発 新しい提案 辺野古新基地を止める民主主義の実践」(新しい提案実行委員会編・安里長従) 県民投票を行う意義示す

2018年6月16日 16:16

 本書は題名の通り、「辺野古新基地建設」を止める方法を提示しようとする試みである。

ボーダーインク・1836円

 主要著者の安里長従氏は、多くの沖縄県民が「選挙等の結果から、既に辺野古新基地反対の民意は示されている」と感じている、と指摘する。しかし、翁長雄志知事が仲井真弘多・前知事による辺野古埋め立て承認を取り消した後、政府が起こした違法確認訴訟では、高裁・最高裁とも国の主張が全面的に認められた。裁判所はその際、沖縄の民意には「基地負担軽減を求める民意」と「辺野古新基地反対の民意」があるが、本意がどちらにあるのか不明だと論じたという。

 どちらも沖縄の民意であり二者択一的ではないことを示すには県民投票しかない、というのが安里氏の見解だ。「人」を選ぶ場であり党派性や複数の争点に左右される選挙とは異なり、県民投票であればシングルイシューの賛否が明確に示される。また、「辺野古新基地建設反対」に限らない県民の多様な議論が交わされ、沖縄の市民社会の成熟も期待できるという。

 本書では、安里氏と共に「『辺野古』県民投票の会」共同代表を務める元山仁士郎氏の他、さまざまな立場や意見を持つ総勢16人が論考を載せている。元山氏は、これまで進んで米軍基地を提供したことのない沖縄の歴史の中で、「辺野古新基地」は初めて沖縄県が認めて造られる基地となると指摘する。それ故、数ある基地問題の中でも「辺野古新基地建設問題」を取り上げ、県民投票を実施する意義があるのだという。

 また、住民投票の専門家である武田真一郎氏は、翁長知事が辺野古埋め立て承認を撤回するには「強い公益上の必要性」がいるので、県民の埋め立て反対の意思を明確にする県民投票が必要だと解説している。現状を整理し、問題を展望する手掛かりとなる1冊といえよう。(山本章子・沖縄国際大学兼任講師)

 あさと・ながつぐ 1972年生まれ、石垣島出身。司法書士。日本司法書士連合会市民の権利擁護推進室委員。沖縄憲法25条を守るネットワーク事務局長。

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