世界100カ国で販売されている韓国生まれのインスタント麺「辛(しん)ラーメン」に沖縄限定CMがある。地域限定版は日本で沖縄のみ。1組の男女が卓上鍋をのぞき込みながら今か今かと出来上がりを待ち「ヌチカンパ~! 煮込んで、うま辛! 辛ラーメン」と締める。この間15秒、男女はしまくとぅばで話す。「地元に根差したCMを作るなら方言が面白いのでは」という県内TV局からの提案に、製造販売元の農心ジャパン(東京都、キム・デハ代表)がゴーサインを出したという。(政経部・平島夏実)

もう食べようよ!(YouTubeから)

まってよ! たまご?(YouTubeから)

あわてないの!(YouTubeから)

ヌチカンパ~!(YouTubeから)

煮込んで!うまから!辛ラーメン!(YouTubeから)

もう食べようよ!(YouTubeから) まってよ! たまご?(YouTubeから) あわてないの!(YouTubeから) ヌチカンパ~!(YouTubeから) 煮込んで!うまから!辛ラーメン!(YouTubeから)

 沖縄では、もともと北海道や鹿児島で流したものと同じ共通語版を使っていたが、2017年から年2回(2月と8~9月)、沖縄版を始めた。18年も2月に放送済みで、次回は9月に予定している。

 沖縄版は、共通語版の映像にしまくとぅばのセリフをかぶせて作った。農心ジャパンの依頼を受けたCM制作会社が琉球放送と相談し、同局が放送するしまくとぅば関連のラジオ出演者が翻訳した。

 セリフは、映像に合うよう字数を制限しながら意訳。「うまそうだな。もう食べようよ」と男性がじれったそうにつぶやく部分は「まーさぎさん。ふぇーく かまな」。卵が絡んだ熱々の辛ラーメンが大映りになるシーンには「ヌチカンパ~!」と挿入した。ヌチカンパーは、ヌチグスイ(命の薬)の中でも特に飲み物や食べ物について指す表現で、カンパーは英語でいえば驚きを表す「WOW(ワオ)」に当たるという。

 CM業界関係者によると、商品を全国的に売るにはプロモーションを統一するのが一般的。地域限定版は珍しいが、沖縄はほかの地域に比べて地元愛や個性が強く、インパクトのあるCMが作りやすいという。

 しまくとぅばは年代によって浸透度が違うため、辛ラーメンのCMに取り入れる際にも標準をどこに絞るか議論になったというが、結果オーライ。CM放送後、TV番組には「スーパーの辛ラーメンが売り切れている」との情報が寄せられたという。

 農心ジャパンは「辛ラーメンは韓国で生まれて32年。日本国内での売り上げは上々で、昨年は前年より21%増えた。インスタント麺の本場、日本でも辛ラーメンを定着させたい」と話している。

「辛ラーメンCM たまご篇」※かっこ内は共通語版

 男性「ん-、まーさぎさん。ふぇーくかまな!(うまそうだな。もう食べようよ)」

 女性「待てぃよー」(まだよ!)

 男性「卵? あー。かでぃしむに」(卵? あー。もういいだろ?)

 女性「慌てぃらん」(慌てないの)

 男性「んー! ヌチカンパ~!

 男性「煮込んで」

 女性「うまから」

 2人一緒に「辛ラーメン」