タイムス女性倶楽部の第44期6月講演会が17日、那覇市内のホテルであった。料理研究家の土井善晴さんが「家庭料理は健全な命を育み、安心をつくってくれるもの」と、家庭料理の大切さを語った。土井さんは、葉でくるむ新潟のおこわや皮を除いて食べる長崎五島列島のタイの刺し身など郷土料理を紹介。「おいしいものはお金と関わりのないところにある」と説明した。日本各地のみそ汁の違いを例に「食文化はアイデンティティー」とし、今あるものを大切にするよう説いた。

作ること、食べることの大切さについて語る土井善晴さん=17日、那覇市のかりゆしアーバンリゾート・ナハ

 食生活ではレシピが必要ない「一汁一菜が一番」と話した。

 また、子どもの頃に母親と食卓を囲んだ写真を披露。「留学などどこに行っても自分には帰る所があるから、勇気や自信を持てた」と振り返った。手作り料理のおいしさを感じることから、子どもたちの五感や気付く力が磨かれ、判断の基準が育つと語った。

 一方、フランスの一流料理家が母親の肖像を店に掛けている写真を取り上げて「フランスでは台所、母、女性を尊敬する文化がある。日本も女性を大切にしないと」と訴えた。