夜1人で過ごす子どもの「居場所」をつくる活動が注目されている。京都や滋賀で夜の子どもの生活支援「トワイライトステイ」に取り組む社会福祉士の幸重忠孝さんが2月に沖縄市で講演した。

 幸重さんがNPO法人山科醍醐こどものひろば理事長だった2010年、京都で始めたのが商店街の空き店舗を使ったトワイライトステイだ。午後5時から9時まで、学生ボランティアらがマンツーマンで小中学生と関わり、学習、夕食、遊び、入浴を共にする。

 取り組みは一緒に布団を並べ、朝食をとり、登校まで支える「ナイトステイ」につながった。

 滋賀では、国の生活困窮者自立支援制度を使い、地元の社会福祉協議会を核に、14年からトワイライトステイを展開。デイサービスが終わった老人ホームを活用することで調理場、浴場、送迎車が有効に使える仕組みが評判となった。

 既存の社会資源を活用した居場所づくりは、大いに参考になる。

 県内でも浦添市の森の子児童センターが、子どもたちの夜の居場所づくりに力を入れている。週2日、夕方6時から8時まで無料塾を開き、手作りの夕食を提供する。

 家や学校に居場所のない子どもたちに接し、居ても立ってもいられなくなり始めた自主事業で「頭とおなかと心をみたしたい」という。

 トワイライトステイやナイトステイ、夜の児童館を必要としている子はもっといるはずだ。

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 経済事情を背景に、長時間労働やダブルワークなどで親の帰りが遅い家庭は少なくない。

 相対的貧困率が5割を超え、とりわけ厳しい状況に置かれるひとり親世帯では、帰宅時間が午後7時から8時台が3割近く、午後9時から翌朝6時台が1割近くもいる(県ひとり親世帯等実態調査)。

 祖父母と同居しているようなケースは別だが、子どもだけでどのように過ごしているのか、気がかりである。

 夜の居場所は、少年非行問題に携わる関係者からも切望されている。沖縄の少年非行をめぐって指摘される深夜徘徊(はいかい)の多さは、独りぼっちの寂しさや家庭の問題と無縁ではない。

 「親の就労状況等に応じて、放課後児童クラブや児童館等の地域資源を活用し、子どもの夜の居場所の確保を促進する」。4月から6年計画で始まった県子どもの貧困対策計画に記されている。

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 子どもに温かい食事とほっとできる場所を提供する「子ども食堂」は、昨年5月、沖縄市に第1号がオープンして以来、9市町19カ所に広がった。

 深刻な「子どもの貧困」を放っておくことができないと感じた大人たちによる草の根の活動だ。

 地域で子どもの孤立を防ぐ、トワイライトステイや夜の児童館を次の目標にしてほしい。

 多様な主体による厚みのある取り組みが、子どもを貧困から守る。