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面会拒否する「良き隣人」 米軍基地が82%を占める町、沖縄・嘉手納で起きていること

2018年6月20日 07:15

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  • 米軍嘉手納基地の第18航空団が昨年以降、町議会との面会を拒否
  • 抗議・要請を受ける専門の担当がおらず「提供できる情報がない」
  • 町議会は米軍の面会拒否に抗議する決議を可決。町長も異例の警告

昨年11月以降、面会要請応じず

 米軍嘉手納基地(沖縄県)の第18航空団が嘉手納町議会(徳里直樹議長)の抗議要請に応じていない問題で、町議会は18日、「住民軽視に他ならない」として18航空団の面会拒否に抗議する決議を全会一致で可決した。同基地の機能強化に反対する町民大会開催を求める陳情も全会一致で採択した。全議員16人と當山宏町長は同日、沖縄防衛局を訪れ「米軍の理不尽な面会拒否を即刻改めさせるべき」と働き掛けを求めた。

沖縄防衛局に抗議後、報道陣の質問に答える嘉手納町議会の全議員と町長(中央)=18日、嘉手納町嘉手納の沖縄防衛局

沖縄防衛局に抗議後、報道陣の質問に答える嘉手納町議会の全議員と町長(中央)=18日、嘉手納町嘉手納の沖縄防衛局

 同様の決議は初めて。18航空団は昨年11月以降、町議会の面会要請に応じていない。

 町議会は1989年から基地関連の抗議決議などを500件以上可決したが、今回のように直接抗議ができない事態は極めて異例という。

 決議は、昨年7月に就任した新司令官の「住民との友好関係を大事にしたい」との発言を引用し「これで『良き隣人』と言えるのか」と批判。「傍若無人な基地運用で住民負担は増大するばかりで、激しい怒りを禁じ得ない」と訴えた。

 18航空団は、11日発生したF15戦闘機の墜落事故への抗議申し入れに18日現在回答していない。海兵隊普天間飛行場所属のCH53ヘリなど同団管轄下でない機体を巡る抗議は「所管外だ」と断ったほか、管轄下にあるF15戦闘機の事故も「提供できる情報はないため要請は受けられない」などと拒んだ。

全議員で要請 町長も“異例の警告”

 米軍基地が面積の約82%を占める嘉手納町で、「良き隣人」であるはずの米空軍第18航空団が、昨年12月から地元住民を代表する議会の直接抗議の面会要請を拒み続けている。全議員16人は基地賛否や保革を超えて足並みをそろえ、かつてないほど激しく反発。當山宏町長も「このまま住民の反感や憤まんがエスカレートすれば18航空団の存在自体にも影響しかねない」と“異例の警告”を発する事態となっている。

 「全議員で要請行動すべきだとの声が出るほど、米軍への不信感はぎりぎりまで高まっている」。F15が墜落2日後に飛行再開した13日。沖縄防衛局で徳里直樹議長ら議員代表は中嶋浩一郎局長にこう念を押したが、早くもこの5日後に「全員要請」へとかじを切らざるを得なくなった。

 ただでさえ、6月定例会は土日を除く会期5日間で基地関連の抗議決議4件を可決し「基地負担増を如実に示す異常な状況」(議員の一人)にあった。米軍はその抗議要請4件も、門前払いか回答なし。町議会は最終日の18日、急きょ5件目となる面会拒否への抗議決議案を入れ込んだ。

 議長を含む全議員の連名で署名した決議案と意見書案を、全会一致で可決したその足で全議員と當山町長がそろって防衛局に手渡した。全議員の署名や要請行動は「近年聞いたことがない」(議会事務局)という。

 防衛局の高木健司次長を前に、徳里議長は「日米で最も重要視されている嘉手納基地で地元との摩擦が起きている。なぜ面会拒否なのか、どういう手順で判断しているのか」と追求。基地特委の當山均委員長は「最低限の要望だ。当事者の米軍が声さえも聞かないなら、私たちはどうすればいいのか」と怒りを込めた。

 地元と米軍の「橋渡し役」の防衛局。高木次長は「既に働き掛けているが、まだ調整はついていない」と述べるにとどめた。政府関係者は「18航空団には苦情や抗議を受け付ける専門の担当がいないので難しい。だがまさに『隣人』なんだから町議会の抗議は受け付けるべきだ」ともどかしい心中を明かした。(中部報道部・篠原知恵)

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