微細な凸凹 60ミクロンまで読み取り

 半導体の製造過程で使われる検査、測定装置の開発、製造を手掛けるナノシステムソリューションズ(沖縄県うるま市、芳賀一実代表)が19日までに、半導体チップの材料となるシリコンウエハーの欠陥を製造工程中でも調べることができる高性能検査装置を開発した。ウエハーの表面にある微細な凸凹を60ミクロン(0・06ミリ)まで読み取り、画像による可視化も実現した「世界最高性能」(同社)の装置として、半導体や電子部品を製造する国内外の企業に売り込む。(政経部・島袋晋作)

半導体チップの材料となるシリコンウエハーを手に、高性能検査装置について説明するナノシステムソリューションズの赤星治副社長=うるま市

 携帯端末の進化やインターネットとつながるIoT機器の普及、人工知能(AI)、自動運転などによる情報処理量の増大とともに、半導体デバイス(装置や部品)の高性能化、小型化も進む。これに伴い高性能のシリコンウエハーの供給が必要となり、製品の不具合につながる凸凹を検知する検査性能の向上も求められている。

 このほど沖縄総合事務局の「国際物流拠点活用推進事業」を活用して開発した新製品は、測定能力を従来の200ミクロン(0・2ミリ)から60ミクロン(0・06ミリ)に向上させた。

 特徴の一つがウエハーの製造工程でも検査できるようにした設計だ。従来は生産ラインの途中でウエハーを抜き取り、数センチ大にカットした上で、電子顕微鏡などで観察しなければならなかったが、手間や時間が掛かるなどの課題があったという。

 また読み取った凸凹を瞬時に検知し、画像で可視化できるようにしたのもポイントで、検査結果の検証の効率化にも役立つとしている。すでに国内外の企業から引き合いがあり、今後5年間で30億円程度の売り上げを見込む。

 こうした高性能機器を開発、製造できるのは同社の専門技術もさることながら、寒暖差が少ない沖縄独特の気候も背景にあるという。

 機器の組み立てや検証が行われる同社のクリーンルームをはじめ、半導体製造の規定温度は23度で、那覇の平均気温に近いという。沖縄に進出する前に拠点を置いていた東京と比べ、電気代を含めたコストが約4割減った。

 同社の赤星治副社長は「沖縄でなければ生み出せなかった製品。今後も業界をリードするものづくりに努めていく」と意気込みを語った。