朝の通勤、登校時を襲った大阪北部地震。テレビ中継にくぎ付けとなり、手元ではネット検索を始めた。さまざまな情報が得られるツールは災害時には欠かせないと実感する

▼ただし、必要なのは正確な情報だ。「シマウマが脱走」「京セラドームに亀裂」。地震発生後にツイッター上で飛び交った「デマ」。民族的差別をあおるような書き込みもあったという

▼2年前の熊本地震で、デマの拡散で混乱した経験がある熊本市の大西一史市長は「信頼できる情報か確かめて」などいちはやく注意喚起をSNSで呼び掛けた。災害に乗じたデマで逮捕者が出たことは記憶に新しい

▼混乱時だからこそ、被害状況の伝達や人命救助に役立つ情報が優先されるのは当然だ。その発信の役割を果たしているのもSNS。だが、悪ふざけや遊び感覚の書き込みが、支援の対応を遅らせることにもつながりかねない

▼一方、大阪北部地震発生後、震災経験者からは、水の確保の仕方や役に立つグッズの紹介、余震への備えなど温かい支援の投稿も寄せられている。同じ経験をしたからこそできる情報発信は心強い

▼多くの死傷者や被害が明らかになり、ライフラインへの影響、余震の懸念は続く。「天災は忘れたころにやって来る」(寺田寅彦)。日ごろの備えはどうか。過去の教訓が最大の情報となろう。(赤嶺由紀子)