大阪府北部で震度6弱を観測した地震は、浅い地下で起きた典型的な都市直下型地震だった。

 地震の規模はマグニチュード(M)6・1。1995年1月の阪神淡路大震災や2016年4月の熊本地震に比べ規模は小さいが、被害は各面に及んだ。

 鉄道や高速道路などの交通網はマヒし、電気・水道・ガスなどのライフラインは寸断された。ビルやマンションではエレベーターが緊急停止し、中に閉じ込められるケースが相次いだ。

 ブロック塀やたんす、本棚などの下敷きになり5人が死亡、300人を超えるけが人が出た。

 一般に、建物が頑丈で耐震化が進む大都市は地震に強い印象を与える。

 交通網やライフラインが網の目のように張り巡らされ、あらゆる機能が集中する大都市は、まさにそれ故に、多くの盲点を抱えていることが、あらためて浮き彫りになったのである。

 大阪府高槻市・市立寿栄小学校4年の三宅璃奈さん(9)は、安全のため緑色に塗装した通学路を歩いていたとき、学校のプールのブロック塀が道路側に倒れ、下敷きになって亡くなった。

 大阪市東淀川区の安井実さん(80)は、いつものように市立新庄小学校に登校する児童の見守り活動に向かう途中、民家のブロック塀が倒壊し、下敷きになって死亡した。

 果たして過去の教訓は生かされたのか。インフラの老朽化に対処し得ているのか。緻密な検証が必要だ。

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 1978年の宮城県沖地震では、ブロック塀の倒壊などで18人が死亡した。

 この地震を教訓に、政府は建築基準法を改正し、同施行令でブロック塀の高さの上限を「3メートル」から「2・2メートル」に下げた。

 寿栄小学校のプールのブロック塀は、高さ1・9メートルの基礎部分の上に1・6メートルのブロックが積み上げられ、全体の高さは施行令の上限を上回る3・5メートルに達していた。

 プールが外から見えないようにブロック塀を高くした、のだという。

 高槻市は、三宅さんが下敷きになったブロック塀について、建築基準法に違反していたことを認めた。

 学校の耐震化は進んだものの、ブロック塀については、多くの場所で手つかずのままだ。

 まずは全国の公立小中学校のブロック塀について、緊急点検を実施し現状を把握する必要がある。

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 大阪府で震度6弱を観測したのは、観測態勢が整った23年1月以降、初めてだという。

 気象庁は、今回のようなM6程度の地震は全国どこでも起こりうる、と警鐘を鳴らしている。

 「沖縄は問題ない」と、安易に決めつけるのは危険だ。一時的な安心感は得られるかもしれないが、防災・減災対策がおろそかになるおそれがある。

 備えあれば憂いなし。恐れず、あなどらず、リスクに適切に対処することが重要である。