【東京】米軍北部訓練場の一部返還に伴うヘリ着陸帯(ヘリパッド)の移設工事で、政府が年内の完成を目指していることが7日、分かった。完成すれば訓練場の過半を返還できることから、基地負担の軽減に取り組む姿勢をアピールし、県と対立が続く名護市辺野古の新基地建設問題を有利に運ぶ狙いもありそうだ。

 日米両政府は1996年に、訓練場の総面積の半分以上に当たる約4千ヘクタールを返還することで合意した。ただ、返還されない区域に6カ所のヘリパッドを移設することが条件。いずれも東村高江の集落に近く、反対する住民らが県道の路側帯に車を止め、工事車両の進入を防ぐなど、抗議行動を続けている。2カ所しか完成していない。

 新基地建設を巡る代執行訴訟が和解したことを受け、国は訓練場の返還で、さらに知事を追い詰める考えだ。

 防衛省は3月、車などの撤去に向けた行政指導を県に求めた。県は17日までに回答する。知事は、新型輸送機オスプレイの運用が予定されるため、ヘリパッド建設への態度を明確にしていない。

 環境省は7月にも沖縄海岸国定公園の一部を編入し、国頭、大宜味、東の3村にまたがるやんばる地域を国立公園に指定する方針。現計画に訓練場は含まれていない。

 政府高官は「訓練場が返れば、在日米軍専用施設面積に占める沖縄の負担割合は大幅に縮小する。国立公園としての活用範囲も広がる。国にも県にもメリットばかりのはずだ」と知事に判断を迫る。

 さらに別の政府関係者は米側と交渉していることを認めつつ「ヘリパッドの移設が北部訓練場の返還の条件であることに変わりはない」と説明。4カ所を完成させる必要性を強調する。