今春の沖縄県立高校入試で、定員に余裕があるのに最終的に不合格となる「定員内不合格者」が全日制・定時制合わせて164人だったことが20日、分かった。九州他県に比べて2~6倍多く、県内で中学卒業後に行き場のない若者を生み出す要因になっている。合否判定基準は学校によって違うが、素行不良や無断欠席、学力不足などが問題視されたとみられる。(社会部・鈴木実)

県立高校入試の定員内不合格者数(2次募集)

九州の定員内不合格者数

県立高校入試の定員内不合格者数(2次募集) 九州の定員内不合格者数

 県教育庁は2011年、できるだけ定員内不合格者を出さないよう合否判定基準の見直しを求める通知を各県立高校に出したが、浸透していない。

 全日制では志願倍率が0・8倍なのに18人が不合格だった高校があった。「教育の安全網」と言える定時制でも、計11人が定員内不合格だった。

 17年度入試では184人、16年度入試では183人と、さらに多かった。

 文部科学省によると、47都道府県のほぼ3分の1が原則として定員内不合格を出さない方針という。

 九州では、人口規模の大きい福岡県でも沖縄の半分以下の73人。そのほかの九州各県について本紙が公表資料などを基に試算したところ、いずれも20~50人台だった(福岡県のみ17年度入試の数字。熊本県と大分県は非公表)。高校入試の選抜方法や統計の取り方が違うため単純比較はできないが、沖縄の多さが目立つ。

 沖縄では、中学卒業後に進学も就職もしない「進路未決定率」が全国平均の3倍に上ることが深刻な課題になっている。2017年の進路未決定者は363人で、毎年160~180人いる定員内不合格が、数字を大幅に引き上げている可能性がある。

 10人以上の不合格者を出した高校の校長は「定員内不合格は県の教育行政全体に関わる問題であり、校長としてのコメントは控えたい」と述べた。

 教育庁によると、できるだけ定員内不合格者を出さないよう校長会などを通じて定期的に各学校に求めている。