言語道断としかいえない。米軍嘉手納基地の第18航空団による地元・嘉手納町議会への対応が、憤慨極まりない。

 町議会は6月定例会で、嘉手納基地の機能強化、負担増加などへの抗議決議を5件も全会一致で可決した。議会は米軍に直接抗議するための機会を求めたが、米軍は応じていない。

 航空団は要請に対し「沖縄防衛局を訪ねてほしい」「所管外のため受けられない」「提供できる情報がなく要請を受けられない」などと拒み続けている。

 5件目の決議は、抗議を受けない姿勢を「住民軽視」と批判している。面会拒否への抗議決議は初めてという。決議しなければならないほど、議会の怒りや反発が頂点に達していることを示している。

 航空団は昨年12月から、抗議を受け付けていない。町議会は平成に入って以降、米軍関係の抗議決議や意見書を500件以上も可決しているが、直接抗議ができなくなっているのは極めて異例という。異常事態なのである。

 嘉手納町は米軍基地が町面積の82%を占め、住民は日常的に騒音被害に悩まされるなど、日ごろから生活が脅かされている。住民代表である議員らの面会要請を拒むのは、地域の声に耳を傾けようとしない傍若無人な振る舞いと言うほかはない。

 決議では、「住民との友好関係を大事にしたい」との基地司令官の発言を引き、「これで『良き隣人』と言えるのか」と非難した。議員らの米軍への憤慨、不信感は当然である。

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 町議会で抗議決議が相次いだのは、日米両政府が口をそろえていう沖縄の「負担軽減」と逆行する事実が、嘉手納で積み重なっているからだ。 

 米本国からF22ステルス戦闘機14機が嘉手納に暫定配備された。外来機の暫定配備はこれまでも繰り返されており、常駐するF15戦闘機と合わせ、訓練による騒音被害が深刻化している。

 さらに米空軍の輸送機CV22オスプレイ4機も、地元への事前通告なく飛来し、今後、嘉手納が頻繁に使用されるのではないかとの懸念を高めた。

 嘉手納所属のF15が墜落し、原因不明のまま2日後には飛行を再開した。エンジンをかけた状態では使用しないと日米で合意した旧海軍駐機場を、米軍は今月に入って2度も使用している。 

 これらへの抗議は繰り返されてきた。地元の声を顧みないなら、怒りの矛先は基地の存在に向かわざるを得ない。

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 最近の嘉手納で起こっている事態は、米軍のやりたい放題、といっても過言ではない。米軍の訓練や運用に口を挟まない日本政府の体たらくが暴挙を後押ししている。

 米軍機が墜落し、原因究明や再発防止策が不十分であっても、飛行再開をなし崩し的に容認する。訓練や外来機飛来などの情報は得られず、政府も確実な提供を求めない。

 そんな「属国」ぶりが米軍の野放図さを助長し、県民が危険にさらされていることを、政府は深刻に受け止め、対応を改めるべきだ。