西表島西部の上原港から車で約10分。木々に囲まれた森の中、隠れ家的カフェで味わう「イカのスミ汁そば」(900円)にハマった。まろやかな舌触りのスミ汁に麺を絡め、たんまり入ったイカや長ネギと一緒に一気にすすると、絶妙なイカのうま味が口に広がり、思わずニヤけてしまう。

イカのうま味を存分に生かした人気の看板メニュー「イカのスミ汁そば」のセット

30周年を迎え、スタッフと一緒に「いつでもゆっくりしてって」と笑顔を見せる店主の奥田伶子さん(右)=竹富町西表島・唐変木

唐変木の場所

イカのうま味を存分に生かした人気の看板メニュー「イカのスミ汁そば」のセット 30周年を迎え、スタッフと一緒に「いつでもゆっくりしてって」と笑顔を見せる店主の奥田伶子さん(右)=竹富町西表島・唐変木 唐変木の場所

 「これがないと帰っちゃうお客さんもいるほどなんですよ」。そう笑う店主の奥田伶子さん(63)のこだわりの逸品は、白イカのうま味を引き出す工夫が満載。豚肉は入れず、使うのはアオリイカだけ。軟骨やワタなどくちばし以外は全て生かし、ほどよく煮詰めて軟らかく仕上げる。

 サラダやご飯が付くセット(1200円)や「イカのスミ汁定食」(1300円)のほか、西表島産ノコギリガザミで作る「カニ汁定食」(2400円)、島のイノシシが味わえる「カマイチャンプル定食」(1700円)と「カマイ汁」(1400円)もお勧め。8種のハーブや野菜を生かしたカレーも人気だ。

 沖縄市出身で、西表島への移住は20代半ばのころ。木工職人の夫武さん(74)と初めて訪れ、島の魅力に取りつかれた。「ゼロからの出発」だったが、飲食店の開業は幼少時からの夢。店は武さんが仲間と共に手作りし、伶子さんは料理にオリジナリティーを出そうと試行錯誤した。

 この6月で創業30周年。伶子さんは「観光地だし、県外の人の口にも合うよういろいろ考えてきたけど、あっという間の30年。これからもお客さんが喜び、ゆっくりしてもらえる居心地の良いお店であり続けたい」とほほ笑んだ。(八重山支局・新垣玲央)

 【お店データ】竹富町上原749。営業時間は午前11時半~午後5時。定休は火曜と水曜。座敷の6席含め約20席。駐車場有り。電話0980(85)6050。