9秒でまるわかり!

  • 沖縄本島内の26市町村が子の貧困対策事業(内閣府)を計画している
  • 「支援員の配置」「居場所の運営支援」の2事業で、国が全額補助する
  • 実施予定のない12町村は離島で、人材が足りず踏み出せない状況だ

 内閣府が本年度沖縄振興予算に10億円を計上した「子どもの貧困緊急対策事業」について、沖縄本島内の全26市町村が事業を計画していることが9日までに沖縄タイムスの調べで分かった。県全体では29市町村が取り組む予定。那覇市や沖縄市などは、深夜はいかいや欠食などの問題を抱えた生活困窮世帯の子どもたちに、夕方以降の居場所や夕食を提供する事業を新たに実施または拡充する。28市町村が実態把握のための支援員を配置する。一方、実施予定がない12町村はすべて離島で、人材が足りず事業に踏み出せない一端が浮かんだ。(社会部・新垣綾子)

 内閣府事業は、地域の状況把握や各種団体との調整役などを担う「支援員の配置」と、食事提供や学習支援、生活指導などを実施する「居場所の運営支援」の2種類。国の全額補助で市町村の負担はない。

 当初予算に総事業費約2億2700万円を計上した那覇市は、全中学校区や市の関係部署へ計27人の支援員を配置予定。2カ所合わせ定員200人の無料塾や、不登校の小中学生ら30~40人を対象に日中の居場所をつくる。また子ども食堂や学習支援に取り組むNPOなど15~18団体に事業費や食材費などを補助する。

 8中学校区に対し児童館やそれ相当の施設が3カ所にとどまる沖縄市。自治会などで週1回、物作りなどを体験する「出前児童館」の取り組みを現状の10カ所から増やすほか、夜間対応児童厚生員を3人確保し児童館での学習支援や夜間開放を拡充する。宜野湾市や宜野座村などがつくる「居場所」では、過卒生を含めた就労支援にも乗り出す。

 一方、実施予定がない町村からは「島内に適任者がいない。限られた勤務で報酬が低く、家賃も必要となると島外から呼ぶのも難しい」との声も。既に無料の村営塾がある南北大東村などの事情から「必要性が低い」と話す担当者もいた。伊平屋村は小学生向けの学習支援で本島から講師を招く予定だが「渡航費の補助があればありがたい」との要望があった。

 各事業は内閣府が今月中に交付決定し、正式に固まる見通し。