安倍政権が掲げる「女性が輝く社会」の実現は、やはり人気取りの政策だったのか。指導力不足を露呈する状況が足元に広がっている。

 2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%に引き上げるとする政府の女性活用策について、共同通信が都道府県議会の女性議員にアンケートを実施したところ、7割超が「国会と地方を合わせた政治分野で実現は不可能」と答えた。

 「両立が難しい」など家庭を犠牲にしないと働けない構造的問題のほか、政治資金集めに苦労している状況や、「政治は男性のもの」といった根強い意識が障壁となっていることが分かる。 

 昨年末時点で都道府県議会の女性割合は9・8%。沖縄は12・8%。

 女性の参政権が認められた後に実施された1946年の衆院選で8・4%を占めた女性議員は、70年たった今でも9・5%と低い。性差の壁は政治の世界で特に顕著である。

 政権の指導力の欠如は、昨年12月に閣議決定された第4次男女共同参画基本計画の女性登用に関する数値目標からもうかがえる。20年度までに「都道府県の管理職15%」「民間企業の管理職15%」など目標をあっさりと下方修正したのは、取り組みの遅れを認めるものだ。

 「女性活躍を最重要政策として強力に推進していく姿勢は変わっていない」とするものの、アクセルとブレーキを同時に踏むちぐはぐな対応である。

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 日本の衆院の女性比率は世界191カ国中、156位と最下位グループにある。

 深刻な待機児童問題を背景にした「保育園落ちた日本死ね」の匿名ブログに対し、安倍晋三首相が「本当かどうか確かめようがない」と答え、批判されたのは最近のこと。

 働く女性たちの考えと隔たりのある首相の答弁は、女性議員が少ない国会の現状と無関係ではない。

 おきなわ女性財団の調査によると、12年からの3年間に女性登用など男女共同参画に関する質問が県内18町村議会でゼロだった。うち13町村には女性議員がいなかった。

 「女性議員がいないと質問も出ない。質問がなければ審議されない。審議されなければ課題解決に結び付かない」と財団の担当者は話す。

 政治的意思決定過程に多様な意見がくみ上げられ、問題を解決していくことが重要なのは言うまでもない。 

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 政治分野におけるポジティブ・アクションの一つとして議席や候補者の一定数を女性に割り当てる「クオータ制」がある。

 世界では100カ国以上で導入され女性議員を増やしてきた。

 日本では「風土になじまない」などの理由から取り組みに消極的で、各党の自主性や良識に任せてきた結果が、この状況である。

 「女性活躍」を看板倒れに終わらせないためにも、社会全体の縮図である議会でクオータ制の導入に踏み出す時だ。