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  • 1998年からの17年間に米軍嘉手納基地などで48万ℓの汚水が流出
  • ジャーナリストのミッチェル氏が米軍情報を入手し、記事にした
  • ジェット燃料や軽油なども流出した。日本側に未通報の事故が多い

 米軍嘉手納基地などで1998年から2015年の間、汚水約48万リットル、ジェット燃料約4万リットル、軽油約1万3千リットルの流出事故があったことが、米軍文書で分かった。英国人ジャーナリストのジョン・ミッチェル氏が情報公開請求で入手した。

情報公開された嘉手納基地内の写真。「海の染料」と題されているだけで日時、状況は不明(ジョン・ミッチェル氏提供)

 詳細が分かる事故では例えば10年11月、未処理の汚水約5万7千リットルが白比川(北谷町など)と海に流れ出した。糞便(ふんべん)性大腸菌の濃度は、水浴場に関する日本の環境基準の36倍に達した。13年6月にもマンホールからあふれた汚水約20万8千リットルが比謝川(嘉手納町、読谷村など)に流れた。

 残留性有機汚染物質のフッ素化合物PFOS(ピーホス)を含む可能性がある作動油も、嘉手納基地で08年以降に約1670リットルが流出した。

 軽油はうるま市のキャンプ・マクトリアスで11年12月、約1400リットルが流れ、天願川を汚染した。担当者が警告を無視したためだという。12年6月、担当者が食堂にいて電話に気付かず、事故への対応が1時間20分遅れた事例など、ずさんな管理態勢を示す文書もあった。10~14年は計206件の流出事故が発生したが、日本側に通報されたのはうち23件だけだった。

 流出事故のほか、弾薬などを焼却する溶鉱炉周辺の汚染も報告されていた。1993年には、土壌から日本の環境基準の92倍に達する鉛が検出された。

 米軍の隠蔽(いんぺい)体質をうかがわせる電子メールも。2014年7月に薬品入りのドラム缶が発見された後、軍内部で交わされたメールには「目立たないように。報道機関に知らせたくない」という記述があった。

 ミッチェル氏は文書に基づき英字紙「ジャパンタイムズ」に記事を執筆した。本紙の取材に対し、「土地や飲み水が安全かどうかを知るという沖縄の人々の基本的な人権を米軍が侵害している。根底には汚染隠しを許す日米地位協定がある。完全な透明化が必要だ」と指摘した。