2011年の東京電力福島第1原発事故による避難者らが集う「3・11当事者ネットワークキャラバン2018OKINAWA」が24日、那覇市内であった。沖縄戦の体験者の心的外傷後ストレス障害(PTSD)に詳しい福島県相馬市の精神科医、蟻塚亮二さんが講演し、沖縄戦の体験者とも重なる福島の避難者らのPTSDについて語った。

講演で語る蟻塚亮二さん=那覇市銘苅・なは市民協働プラザ

 蟻塚さんは10年、沖縄戦体験者の不眠症を通してPTSDに気付き、「沖縄戦・精神保健研究会」で体験者のPTSDの調査に取り組んだ。13年に福島へ移った。

 蟻塚さんは講演で、故郷やなりわいなどを喪失した福島の避難者は難民と同じような状態で、PTSDのリスクは「日本のかつてのどの災害よりも高い」と指摘。リスクを持っている人は、沖縄戦体験者400人の調査では約4割だったのに対し、福島の避難者では約6割に上ったこともあるというデータを紹介した。

 蟻塚さんは高リスクの原因として、自然災害ではなく原発事故という人災だったことを挙げ、「人の心が裏切られた。そこに皆さんの苦労の原因があると思う」と語った。PTSDは過去の記憶が今に出てきて起こるとして、乗り越えるには「今を大切に生きること」と話した。

 講演後は、福島から県内への避難者らが「戻れるなら3・11の前日に戻りたい」「子どもの古里が沖縄になっている」「語れば楽になると思ったけど、実はしんどい」と胸中を伝え合った。

 原発事故を受け、福島などから全国各地に避難した人でつくる「ヒラエス・プロジェクトチーム」が主催した。