翁長雄志知事は、普天間飛行場の返還合意から20年で11日までに報道各社の取材に応じ、返還が実現しない要因は「県内移設は県民の理解を得られていないため」との認識を示した。また、「普天間飛行場は私たちが差し出したわけではないのに、代替場所を沖縄から出せというのは日本の政治の堕落だ」と述べ、政府を批判した。

普天間飛行場の返還合意から20年で、記者団の質問に答える翁長雄志知事=8日午後6時過ぎ、沖縄県庁

 普天間飛行場は1996年の返還合意後、移設先を嘉手納基地とする案や辺野古の沖合2千メートルに建設する案、沿岸V字案などが浮上したが、実現に至っていない。知事は「どういう形であれ、県内移設は県民に理解されなかった」と指摘。移設先は辺野古が唯一の選択肢ではなく、安全保障の問題として「日本国民全体で考えるべきだ」と訴えた。

 辺野古への新基地建設をめぐっては、国と県の代執行訴訟の和解勧告に基づき、総務省の第三者機関・国地方係争処理委員会で審査に向けた手続きが始まっている。知事は和解勧告に触れ、「沖縄を含めオールジャパンで議論し、解決策を見いだしてアメリカと交渉しなさいということだ」と述べ、辺野古が唯一の選択肢ではないと強調。沖縄をないがしろにするような政府のこれまでの手法では「日米安保体制にも禍根を残すのではないか」と、くぎを刺した。

 一方、米政府に対しては今後も訪米の機会などを利用し、意見交換や働きかけを続けていく考えを明らかにした。