沖縄県は11日、自然災害や航空機事故を具体的に想定し、行政や観光業界の対応策をまとめた「県観光危機管理実行計画」を策定した。部長級が委員を務める県観光推進本部(会長・翁長雄志知事)で決定した。

【県観光危機管理実行計画】危機の想定内容と主な対応策

 計画は、市町村や各観光協会、ホテルの業界団体に送付し、4月中旬までに県のホームページで公開する。県は今後、計画に基づいた訓練を2016年度中に複数回実施したい考え。

 計画では、具体的な危機として(1)自然災害(震度6弱の地震、3メートル以上10メートル未満の津波、石垣・宮古・本島が暴風域に2日以上入る台風)(2)人的災害(那覇空港で旅客機が炎上)(3)健康危機(新型インフルエンザの患者を県内で確認)(4)環境危機(沖縄近海でタンカーから重油漏れ)(5)県外で発生した危機(米国大使館や駐留米軍基地を狙った同時多発テロが海外で発生)-の5種類を想定。

 いずれも、帰宅を急ぐ観光客が那覇空港に殺到したり、観光客の予約キャンセルや延期が相次いだりすると予測した。

 対応策は、県、市町村、観光関連団体・事業者などに分けて例示。被害情報の収集伝達、観光客や従業員の安全確保、避難所の開設・運営、ボランティアや自主避難者の受け入れといった「初動対応」、食料や必需品の確保・供給、観光客の移送といった「応急対応」を盛り込み、最終段階の「復興対応」では、被害・経営状態の把握、誘客プロモーションの検討、風評関連情報の収集を挙げた。

 減災や危機対応に向けた平時の備えも重要だとし、観光関連施設の耐震化、避難場所・経路の確保、避難誘導標識の設置、防災マップの掲示、外国語の防災パンフレットの作製、観光危機管理に詳しい指導者の育成、観光客や観光関連事業者に対する情報伝達体制の強化などを盛り込んだ。

 県観光推進本部は同日、21年度の観光客数1千万人・観光収入1兆円の目標達成を目指す「沖縄観光推進ロードマップ」の改訂案も了承し、クルーズ船の寄港増加や那覇空港第2滑走路の整備計画を新たに書き込んだ。今後も年1回のペースで改訂を重ねる。