学ぶ環境さえ整えれば学力は改善できる-。東京と沖縄の離島や県外の山間地をネットで結び、ライブでのオンライン双方向授業を展開している会社がある。フィオレ・コネクション(東京)。代表の松川來仁さん(35)は「地方の子供たちの才能を埋もれさせず、可能性の芽を開花させたい」と強調する。

オンライン双方向授業で東大生から学ぶ与那国島の子供たち(同社提供)

フィオレ・コネクションが運営する東大NETアカデミー(同社HPから)

離島やへき地の子供の学力向上をネット教育で支援しているフィオレ・コネクションの松川さん=東京都目黒区の本社

オンライン双方向授業で東大生から学ぶ与那国島の子供たち(同社提供) フィオレ・コネクションが運営する東大NETアカデミー(同社HPから) 離島やへき地の子供の学力向上をネット教育で支援しているフィオレ・コネクションの松川さん=東京都目黒区の本社

 こだわりは講師陣。現役の東大生が教える。頭がいいのは当然、独自に編み出した研修を経た上で教壇に立つので、教えるテクニックも身に付けている。

 採用では「頭」より、コミュニケーション力など、人柄を重視して厳選している。「親しみを感じてもらうことも大事。東大進学も考えてみようかと、子供たちの意欲や視野を広げるから」と話す。

 自身も東大出身。大学院も卒業し、外資系大手の製薬メーカに就職したが、以前から心に留めていた「教育関係に携わりたい」との思いが膨らみ、2010年に起業した。

 塾経営の母親から聞かされていた“嘆き”が根底にある。「才能はあるのに単純な理由でやめていく子が多い」と。そして、経験で痛感してきた大都市と地方、へき地との教育環境の差。「環境さえ提供すれば子供たちの意識も変わり、大きく成長できるのではないか」。一念発起した。

 学習塾などが少ない地域の自治体と連携している。与那国町を皮切りに5年間でサービス提供先は沖縄、徳島など4県、11町村に広がった。講師は50人、受講する児童・生徒は600人に上る。

 与那国では、全国学力テストの成績に成果が表れた。正答率が全国平均を上回っただけでなく、全国トップ県の正答率をも超えた。地方の塾との連携などで、全国展開も目指す。「人が集まる東京の知を地方に広げ、社会に貢献していきたい」と意気込みを語った。(宮城栄作)

 まつかわ・らいと 1980年浦添市生まれ。2004年に東大医学部保健科学科を、06年に同大学院医学系研究科を卒業し、グラクソ・スミスクラインに入社。10年にフィオレ社を起業、子供の力を育てる環境づくりに取り組む。5月から浦添本部校でハイレベル教育にも参入。4月15~17日、受講説明会を開く。

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 沖縄県外には、沖縄出身者を含め、沖縄への熱い思いを持ち、多くの分野で活躍している人たちがいる。新企画「東京報道プラス」の「アクロス沖縄」で紹介していく。