「(基地問題は)無知なふりをしている方が楽と思うこともある」「『普天間』の言葉だけで、他校の生徒がよそよそしくなった」。米軍普天間飛行場の返還合意から20年。同じ年数を歩んできた若者に話を聞くと、さまざまな答えが返ってきた

▼普天間飛行場と隣り合わせで育った女子学生は、辺野古の新基地建設など友人や周囲の本音を知りたいと思っても、聞くことをためらう。それだけでその人を「評価」してしまうのが怖いからだという

▼取材した学生は、基地はない方がいいと口をそろえる。ただ、積極的に意見を発信することはなく、基地反対の運動にも距離を置く。逆に、無関心ではいられないと行動を始めた学生もいる

▼20年の期間を「長すぎる」と言い、解決できない日本政府と米国、沖縄の関係に首をかしげ、なぜ進まないかの答えが見えないもどかしさを抱える。一方、基地問題を「よく分からない」と迷い、答えを模索する意見も

▼「遊園地ができると楽しい街になるかも」「貴重な自然が活用できないか」「渋滞をなくして」。返還後の街に期待する声も若者らしくていい

▼ある学生がさりげなく言った言葉が忘れられない。「国民全体の命と県民の命をはかりに掛けられている気がする」。自問自答しながら普天間の現状を見つめる若者に日本政府はどう答えるのだろうか。(赤嶺由紀子)