米軍北部訓練場の一部返還に伴うヘリ着陸帯(ヘリパッド)の移設工事で、政府内に、移設に反対する住民らの妨害を避けるため資機材などの空輸案が浮上している。複数の政府関係者が12日、明かした。5月にも建設予定地に調査会社を派遣し、資材を空輸する工程を検討する予定だ。

高江ヘリパッド建設予定地

 北部訓練場は、返還されない区域に6カ所のヘリパッドを移設することを条件に総面積の過半を返還することが日米で合意しているが2カ所しか完成していない。いずれも東村高江の集落に近く、反対する住民らが県道の路側帯に車を止め工事車両の進入を防ぐなど、抗議行動を続けている。

 防衛省は3月、車などの撤去に向けた行政指導を県に求めた。4月18日までに対応結果を文書で回答するよう県に求めているが、県関係者によると県は当面応じない考えだという。県幹部は「高江で抗議する市民の思いも大切にしないといけない」とテントなどの強制撤去に否定的な見解を示した。

 工事は2年近く止まっている。北部訓練場の過半約4千ヘクタールの返還で、在日米軍専用施設面積に占める沖縄の割合は74・4%から70・6%に縮小する。そのため政府は負担軽減の姿勢をアピールできるとみる。

 一方で、空輸案は移設工事が妨害されると、防衛省内ではたびたび浮上していた。政府内にも航空機での輸送は限界があるとの見方もあり、実効性は未知数だ。政府関係者は「予定通りトラックなどを使って地上から運ぶのが理想。県にもさらなる協力を求める」としている。