ものづくりネットワーク沖縄(mdn、うるま市、金城盛順理事長)と沖縄ヤマハ(那覇市、許田洋社長)は、8人乗りの電動式コミュニティービークル「CV8」を共同開発し、観光施設などへの導入を進めている。ヤマハ製の5人乗り電動カートを改造し、車体を伸長。mdnが設計・施工を担い、安全性と低コスト化を両立させた。ホテルやテーマパークなどで県内需要を掘り起こし、将来は県外へも売り込みたい考えだ。(政経部・長浜真吾)

市販の電動カートを8人乗りに改造し、観光施設などへの導入を目指してハンドルを握る沖縄ヤマハの許田社長、mdnの松田さん(中央)ら=うるま市、mdnの研究施設

 5人乗りカートは主にゴルフ場で使われている。電動式は静かで排ガスが無く、観光施設でも需要はあるが、団体客の移動には不向きだった。沖縄ヤマハは取引先の要望を受けて、電気自動車の開発・改造ノウハウを持つ、mdnに大型化を依頼した。

 昨年7月、mdn企画開発部の松田尊さん、古波蔵篤さん、寺田誠さんが改造に着手。市販車を切り離し、鋼材で作ったフレームを挿入、溶接などで固定する方法を考案した。最新機材による強度解析や試験走行で安全性を確認。フレームは一定の規格で「部品」として製造、施工性を高め、コストを抑えた。2~3日で改造できるという。

 全長は80センチ伸びて4メートル47センチ。価格は市販車より60万~70万円アップする。鉛蓄電池の搭載車は税別約190万円、リチウム電池は約260万円。最高時速20キロ。フル充電で鉛は約20キロ、リチウムは約40キロ走行できる。

 CV8は3月から糸満市の沖縄平和祈念公園で観光客向けの試験利用が始まり、6月から本格導入の予定。ほかに数社から引き合いがあり、年内に約10台の販売を見込む。

 沖縄ヤマハの許田社長は「車高が低く、子どもやお年寄りも簡単に乗降でき、開放感も好評。大型化で利用シーンが広がる。沖縄発の商品として、県外にも売り込みたい」と期待する。mdnはうるま市などの事業を活用し、人材や技術を蓄積。松田さんは「さらに大型化を求めるニーズもあり、今後はモーターやフレームなども自前で設計・製作したい」と話している。