沖縄県宮古島市城辺砂川(うるか)には津波よけや五穀豊穣を祈願する「ナーパイ」という祭祀(さいし)がある。言い伝えによるとかつて大津波で亡くなった夫婦の一人息子、サニャープズ(さあね大ち)が竜宮から来た女神ムマニャーズ(むまの按司)と結ばれ、7男7女に恵まれた。子どもたちの成長後、竜宮に帰るムマニャーズが教えたのが始まりだとされる。(宮古支局・仲田佳史)

集落に津波が来ないよう願い、地面にダンチクを刺して境界をつくる女性たち=9日、宮古島市城辺砂川

津波よけと五穀豊穣を願い、神歌に合わせて踊る女性たち

女性たちが御嶽で神歌をささげて下山した後、男性が舟をこぐ動作に見立てて棒を上下させ、歌を歌い航海の安全を祈願する

石垣の上に茅の屋根が敷かれた御嶽で、集落の女性たちが神歌をささげた

集落に津波が来ないよう願い、地面にダンチクを刺して境界をつくる女性たち=9日、宮古島市城辺砂川 津波よけと五穀豊穣を願い、神歌に合わせて踊る女性たち 女性たちが御嶽で神歌をささげて下山した後、男性が舟をこぐ動作に見立てて棒を上下させ、歌を歌い航海の安全を祈願する 石垣の上に茅の屋根が敷かれた御嶽で、集落の女性たちが神歌をささげた

 起源は定かではないが、1771年の明和の大津波以前の書物に記録が残る。旧暦3月初めの酉の日に行われる行事で、今年は9日に実施された。「ナーパイ」は「縄を張る」の意。女性たちが上比屋山(ウイピャーヤマ)にある御嶽(ウタキ)からナガイバー(長井の浜)に掛けてダティフ(ダンチクと呼ばれる竹に似た植物)を地面に刺して津波が集落に入らない境界を引き、神歌と踊りを奉納した。祭祀の様子を写真で紹介する。