沖縄県内スーパーの総菜チキンの売れ行きが好調だ。もともと人気が高いが、景気拡大で働く人が増え、自宅での調理に手間がかかるフライドチキンなどの需要がさらに高まっているという。各社とも素材の刷新や、独自の調理法でオリジナル商品を確立。スチームやローストタイプの揚げないチキンも登場し、売り上げを2倍に伸ばした店舗もある。人気商品に磨きをかけ、総菜全体の売り上げ拡大も狙っている。(政経部・照屋剛志)

総菜コーナーに並べられたチキン。売れ行きが好調だ=29日午後、那覇市、真嘉比・ユニオン真嘉比店

 沖縄は米軍統治時代からアメリカ文化の影響を受け、フライドチキンの人気が高いといわれる。コンビニエンスストアではレジ横が定位置の売れ筋商品にもなっている。低カロリー、高タンパク食品として、ダイエットや筋トレに取り組む人たちからの支持も広がっている。

コンビニ対抗でブランド化

 野嵩商会が運営し、県内に18店舗展開するフレッシュプラザ・ユニオンは、コンビニのフライドチキン販売強化で、売り上げが伸び悩んだため、ブランド化に着手した。

 鶏の生育と食肉加工を一体運営するタイの製造工場と契約。養鶏場からすぐに食肉加工するため、冷凍回数が減り、鮮度が維持できるという。担当者は「従来よりジューシーな味わいになり、評判がいい」と説明する。

 2016年4月に、CMソングにちなんだ独自ブランド「ですからチキン」として売り出し、初年度の販売量は、ブランド化する前の1・8倍となった。

「油で揚げない」メリット

 金秀商事のタウンプラザかねひでは調理法を工夫した。蒸気と熱風で調理する特殊なオーブンを導入し、昨年5月から油で揚げない「スマイルチキン」を販売。素材の脂のみで調理するため、フライドチキンに比べカロリーを3分の1カットでき、健康志向のシニア層を中心に売り上げを伸ばしている。

 売り上げはフライドチキンの1・2倍となった上、他の総菜の購入にも波及し、総菜全体でも1割増えたという。担当者は「フライで使った廃食油も3割減らせ、環境にも優しくなった」と話した。

売り上げ2倍のスーパーも

 イオン琉球はスパイシーな味付けや骨なしチキン、鶏天などを投入し、商品の種類を増やした。担当者は「働く人が増え、夕方の総菜の売り上げが伸びている。特に手間がかかる揚げ物は売れている」とした。

 サンエーは素材から調理法まで改善して「サンチキ」として昨年4月に発売。テレビCMも展開し、17年度の売り上げは2倍となった。「根強い人気のフライドチキンをオリジナル商品の一つとして販売し、全体の売り上げ増加にもつなげたい」と話した。