那覇市寄宮の県立図書館を初めて訪ねたのは高校2年生の夏休みだった。沖縄市からバスを乗り継いで1時間以上かかったが、館内に入った瞬間に移動の疲れは吹き飛んだ

▼大きな窓から日差しが注ぎ込む明るい閲覧スペース。ずらりと並んだ本棚。学校の図書館とは違う、その広さにワクワクした。開館してまだ1年足らずで大勢の来館者が思い思いの時間を過ごしていた

▼34年間親しまれてきた図書館は、老朽化や新たな収蔵資料スペース確保などを目的に12月開館の新館へ移転する。4月に閉鎖した一般書コーナーに加え、郷土資料室も6月29日で使えなくなった

▼「とおくにはなれるのは いやだけど いちねんせいになっても いくからね」「図書館デートしたかった」。3月末に、館が募集した利用者からのメッセージカードを読むと、みんなに愛された施設だったことが伝わる

▼県内で演劇などに携わる永田健作さんは「思い出」と題したA4サイズ1枚の文章を寄せた。仕事で落ち込んだときに借りた本の言葉に励まされ、「明日からも仕事を頑張ろう」と思えるようになったと振り返る

▼旭橋の新館には移民資料をそろえ、県系移民の子孫が利用できるコーナーも設けられる。バスターミナルや商業施設も近い立地。これまでになかった新しい図書館の姿が見られるに違いない。(玉城淳)