沖縄タイムスは本日、創刊70周年を迎えました。1948年7月1日に第1号を発行して以来、長年にわたりご愛読いただき、新聞発行を核とした報道、文化事業を支えて下さった県民の皆さまに心から感謝いたします。

武富和彦 沖縄タイムス社社長=14日、沖縄タイムス社

武富和彦 沖縄タイムス社社長=14日、沖縄タイムス社

 創刊時の沖縄には、米軍の機関紙的な新聞は既にありましたが、沖縄タイムスは「沖縄再生の根源は新聞の自由にある」との思いを込めて戦前の新聞人が中心となってスタートさせました。戦争ですべてが灰燼(かいじん)に帰しただけでなく、自らの意志に反して米軍の施政権下に置かれ、人権もなく差別され、その日を生きるのに精いっぱいだった時代です。ガリ版刷り2ページでの始まりでしたが、当時の社長は「誠にお粗末なものだが、沖縄の復興に歩調をあわせて成長していく」という趣旨のメッセージを記しています。

 創刊した先達の胸にあったのは、人々を戦争に駆り立ててしまったことに対する新聞人としての深い悔恨と反省です。軍国主義の時代だったとはいえ風潮に流されるままに戦意をあおってしまった-。消えることのない戦犯的な罪の意識は、戦争につながる一切を拒絶し平和を希求するという沖縄タイムスの基本的な理念として受け継がれています。

 創刊以来、米軍統治下にあった時代をはじめ、さまざまな圧力を受けながらも権力とは一定の距離を保ち、常に民衆の立場に身を置いて報道してきました。その姿勢が支持されたからこそ、今日まで1号も途切れることなく紙齢を重ねることが許されたと信じています。

 70年間、沖縄の人々とともに時代を見つめ、時代を創ってきました。沖縄の人々と喜怒哀楽をともにしてきました。これまでの紙面は怒りや悲しみの占める割合が比較的多かった点は否めません。これも、沖縄が歩んできた過酷な歴史の反映だといえます。これからは、「喜」「楽」にあふれた紙面づくりができる時代になることを望んでいます。

 70周年のキャッチフレーズは「きっと もっと いい未来」とし、県民の皆さまとともに未来を創っていく決意を込めました。新聞を取り巻く環境は厳しいものがありますが、あらゆる権力に屈せず、時代におもねることなく、変化に対応しながら、沖縄の主体性に基づいた公正で気品ある言論、表現活動を続けていきます。

 沖縄タイムスは、これからも県民とともに、地域とともに歩みます。