強まる風雨に、1日午後からは沖縄県内各地で避難所の開設や、公共交通機関の運休が相次いだ。台風が最も近くを通る久米島では、農家が強い風の影響を心配し対策に奔走。本島内の避難所では1人暮らしや高齢世帯が、大雨による浸水など自宅への影響を気にしながら不安な夜を過ごした。週末の台風襲来で、宿泊先を確保できずに避難所に身を寄せる観光客の姿もあった。

避難所でテレビの台風情報に見入る台湾からの観光客=1日午後8時55分、那覇市役所(下地広也撮影)

 1日夕から運休となった沖縄都市モノレールの駅には、利用客が最終電車に間に合わせようと急いでいた。

 歌謡ショーからの帰宅で県庁前駅にいた那覇市の田盛久雄さん(75)は「風が強くならないうちに帰りたい」と不安げ。部活の遠征で京都から来県した女性(18)は、飛行機の欠航で延泊となり「テスト前なのでぜひ帰りたかった。不安」と心配そうだった。

 那覇市は1日早朝から避難所を開設。避難所の一つの同市保健所には昼ごろから高齢者が集まった。豊川秀子さん(85)は「1人暮らしだから、家でびくびくするより大勢のいるところが安心」とホッとした様子。喜友名洋子さん(75)も「足をけがしているので、風雨が強くならないうちに来た」と話した。

 沖縄市役所に開設された避難所には同日午後6時までに住民10人が駆け込み、不安そうに外を眺めたり、携帯電話で家族と連絡を取ったりしていた。

 市高原の玉城節子さん(80)は、自宅アパートの隣の部屋に住む男性(67)と共に避難。「足が不自由なので(男性に)車を出してもらい避難できた。台風は怖い」と話す。泡瀬地区から避難した女性(77)は「海が近いので水の災害が心配」と配られた毛布を握りしめた。

 1日夜には、台湾からの観光客や県外からの旅行者が那覇市役所庁舎の避難所を訪れた。飛行機の欠航で延泊となったが、ホテルの部屋を確保できなかったという。

 同市の担当者は「中国語のできる職員がおらず、(外国客には)多少の英語と身ぶり手ぶりで対応している」と話した。

 久米島町謝名堂の農家、山城保雄さん(64)は前日に野菜の保護策を講じ、1日は台風の状況を確認しながら過ごした。夜中の接近を前に「しっかり戸締まりして、明日まで我慢するしかない」と話していた。