帝国書院が沖縄の米軍基地を巡る高校教科書「新現代社会」の記述を訂正した問題で、沖縄県内の関係者から「訂正不十分」だとして反発する動きが広がっている。仲里利信衆院議員は14日にも、政府に訂正申請承認の理由などを問う質問主意書を提出する予定。また高校教科書に沖縄戦「集団自決(強制集団死)」の日本軍の「強制」記述復活を求める「9・29県民大会決議を実現させる会」のメンバーも仲里議員とともに週明けにも抗議の記者会見を開く予定だ。

 同教科書では名護市辺野古への新基地建設について、地元から反対の声が出ているとした上で、「アメリカ軍全体の再編の進行と、周辺海域での国際的緊張も考えに入れた、慎重な解決が求められている」と記述。専門家は「(米軍普天間飛行場の)県内移設を是とし、沖縄は我慢すべきだとも読み取れる表現で問題」と異議を唱える。

 高嶋伸欣琉球大名誉教授は「文科省は沖縄の声を知らないはずはないのに承認し、チェック体制がずさん。再訂正は可能なので、誤解を生まない記述にするよう声を上げるべきだ」と語る。

 高教組の福元勇司委員長は「誤った考えを生むような教科書は絶対にだめだ。間違ったことを学び続けると、対立しか生まれない」と警鐘を鳴らした。

 同社は同問題について「昨年から社内でも記述を問題視していた」と4日に文科省に訂正申請し、11日に承認された。