世界保健機関(WHO)が「ゲーム障害」を新たな疾病に認定した。 

 オンラインゲームやテレビゲームのやり過ぎで日常生活が困難になるゲーム依存が病気として認められ、「国際疾病分類」の最新版に加えられたのだ。

 予防教育の充実と治療法の確立は待ったなしである。

 依存症とは、特定の何かにのめり込み、「やめたくてもやめられない」状態をいう。ゲーム障害は、物質にはまるアルコールや薬物依存症とは異なり、特定の行為や過程に依存する病気だ。

 スマートフォンやタブレット端末の普及に伴い広がるゲーム依存は、日本をはじめ世界各国で問題化しており、特に若い世代で増えているという。

 ゲームに夢中になり過ぎて昼夜逆転し、学校を休んだ。寝食を忘れて没頭した結果、体調を崩した。家族が強制的にやめさせようとしたため、暴力を振るった。

 WHOは、日常生活よりゲームを優先してしまう、こうした症状が少なくとも12カ月続き、家族や社会、学業や仕事に重大な支障を来している状態をゲーム障害と定義する。

 これまで「やめられない本人が悪い」など自己責任を問う声も小さくなかっただけに、自分の力ではどうにもならない病気と認められた意義は大きい。 

 新たな疾病認定を契機に、治療が必要な病気だという正しい理解を広めていく必要がある。

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 IT大国を自負する韓国では、人口の18・6%がインターネット・スマホへの「過剰依存危険群」だという。

 中国では、6~10歳の子どもの6人に1人が、5歳前にゲームを始めるなど低年齢化が進んでいる。

 日本でも未成年の依存問題は深刻だ。

 2013年の厚生労働省の調査で、ネット依存が疑われる中高生は約51万人に上った。当時よりスマホ利用は増えていることから、状況は悪化していると推測される。

 特に指摘されるのは、ネットを介して複数人でプレーするオンラインゲームへの依存である。

 ゲーム内の人間関係から抜けられなくなったり、ゲームに使う道具ほしさに課金を続けるなど、やめる機会がつかみにくいからだ。

 しつけの延長線上で親だけに責任を押し付けても、解決は難しい。

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 ゲームをすることが悪いと言っているのではない。ただゲームには依存性があり、そのための対策は講じなければならない。

 政府は、患者数や相談件数などの実態調査を行い、治療のガイドラインづくりを急ぐべきだ。

 学校や保護者は、スマホ利用のルールを子どもと徹底的に話し合ってほしい。

 状況次第では深夜の利用を制限するなど、何らかの規制も検討すべきではないか。

 ゲーム依存では居場所のない子が心の隙間をゲームで埋めている場合もあり、背景にも目を向ける必要がある。