本紙で昨年連載した「『働く』を考える」でも紹介された、堀下社会保険労務士事務所(浦添市西洲)の働き方改革をまとめた本が出版され、読者を広げている。「社労士事務所に学ぶ 中小企業ができる『働き方改革』」(労働新聞社)。所長で社労士の堀下和紀さん(47)が、自ら実践した方法を失敗談を交えながら分かりやすく解説。「具体的ですぐ使える」などと好評で、2月に1500部を初版後、2千部を増刷した。

自らが実践した「働き方改革」の方法を公開した本を手にする堀下和紀さん=沖縄タイムス社

従業員10人→30人に増員

 「うちの事務所はブラック企業で、私はしくじり先生だった」と明かす堀下さん。クライアントの要求に応え、業績を上げるため長時間労働が常態化。従業員は深夜までの残業が当たり前、時に徹夜することもあった。

 退職者が続出してサービスの質を保てなくなり、顧客の契約解除が相次いだ。「これではいけない」と働き方改革に取り組んだが3年前。

 過重負担を減らすため、10人だった従業員を30人に増員。IT化、クラウド化を徹底し、業務の効率化を図った。在宅勤務やパート従業員の管理職登用など、多様な働き方ができる環境を整えた。

見える化でスピードアップ

 減益を覚悟したが、女性を中心に従業員の定着率が上がり、売り上げも増えた。

 実践例の中で「さっそく取り入れた」と反応があったのが会社メールアドレスの1本化と「◯時までに退社します」と各自が退社時刻を宣言するボード。どちらも事務所の業務のスピードアップにつながった「見える化」の手法だ。

 「改革はトップダウン、改善はボトムアップ」が堀下さんの信条。「中小企業の強みは社長が変われば会社が変わること。まず社長が考え方を変え、行動してみてほしい」と呼び掛けた。

 本は税込み972円。