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  • 東京五輪に向けワゴン型タクシーが増えている。県内は140台稼働
  • 車内が広く収納量が多いことから買い物の高齢者や観光客に人気
  • 料金が高いと誤解している人も。県協会は今後も導入を進める意向

 ワゴン型タクシーが県内で増えている。沖縄県ハイヤー・タクシー協会によると昨年秋から増え始め、5月末現在約140台が稼働している。福祉タクシーのように車内が広く収納量が多いにもかかわらず、一般タクシーと同じ料金で利用できることから、高齢者や観光客に人気がある。2020年の東京五輪開催に向け、自動車会社が外国人客へのアピールとして、タクシー製造をセダンからワゴンへ転換したことも影響している。(社会部・徐潮)

ワゴン型タクシーを利用する外国人観光客ら=6月1日、那覇市

 国土交通省はワゴン型タクシーを「ユニバーサルデザインタクシー」と名付け、東京五輪が開催される20年度までに全国で2万8千台(福祉タクシーを含む)の導入を目標としている。車いすのまま乗車できる乗降口が備えられていることなど補助の要件を満たすワゴン型には、1台当たり60万円を助成するという。

 ワゴン型の導入を推進する県協会の津波古修事務局長は「東京五輪を控える中、沖縄のおもてなしのサービスを世界水準にしたい。ワゴン型は人に優しい車なので、どんどん変えていきたい」と話す。

 ワゴン型を生産する国内2社のうち、沖縄トヨタ自動車は昨年10月の発売後、県内で5月末までに100台を販売。県内タクシー会社の日本交通(那覇市)は、所有する全51台のタクシーのうち49台をワゴン型に切り替えた。

 5月のある日、那覇市のデパートで買い物を終えた年配の女性2人が、予約していたワゴン型タクシーに乗り込んだ。外出にはつえやシルバーカーが欠かせず荷物はいつも多くなってしまうという。「足元が平らで他のタクシーより乗りやすい。車内が広いから荷物もじゃまにならない」とワゴン型を選ぶ理由を話す。

 一方、認知度の低さから敬遠されるケースも。今年2月からワゴン型を運転している那覇市の50代乗務員は「タクシーと思われず手を上げてくれない客や、料金が他のタクシーより高いと誤解している客もいる」と困惑顔だ。

 外国人観光客がワゴン型に乗る様子を見ていた那覇市の嘉数良子さん(76)は「車体が広いので、料金の高い介護タクシーかと思って利用をちゅうちょしていた」という。「同じ値段と知ったら乗りたい。たくさん走ってほしい」と期待した。