3日午前、「50年に1度」という記録的な豪雨に襲われた沖縄県久米島町比屋定での大規模な土砂崩れ。山肌の木々も削り、県道242号をふさいだ。町に一報が入った約1時間前には町営バスが現場を通過していた。約300メートル先の集落に住む人たちは「通勤や通学で使う生活道。車が走っていたときに起きていたらと思うと、ぞっとする」と話した。

久米島町比屋定で県道242号を寸断した土砂崩れ現場。通勤・通学の車やバスが通る生活道路だが復旧のめどは立っていない=3日午前、同所(同町役場提供)

 町や町消防本部によると午前10時半ごろから、車で通ろうとした住民からの通報が相次いだ。崩れた土砂が幅約5メートルの坂道をふさいだ。比屋定展望台と比屋定集落を結ぶ道路のうち、約1キロ区間が通行止めになり、警察官らが交通規制に当たった。

 約300メートル先に住む町比屋定の元町建設課職員、神里稔さん(67)は午前11時ごろ、パトカーのサイレンに気付いて規制線まで見に行った。「大雨の時は、斜面を水が滝のように流れる場所。でも通行止めになった記憶はない」と今回の雨の強さを証言した。午後5時時点でも断続的にたたきつけるような雨が降り「家から出られない」という。

 町商工観光課によると現場は町営バス5路線のうち2路線が通っており、土砂崩れが起きたとみられる時間の約1時間前、午前9時ごろ1台が現場を通過した。午前11時半ごろに通過する予定だった便は土砂崩れのため引き返したという。

 2路線は1日に中高生やお年寄りら延べ約100人が利用する。当面は回り道をして運行をするため、町の中心街まで通常約20分の所要時間が約50分に延びるが、同課担当職員は「バスが通るタイミングの災害でなくてよかった」と胸をなで下ろした。

 町によると、町と県南部土木事務所の職員が4日、現場を視察し、復旧策について話し合う予定。町総務課は「台風7号の直撃に続いての記録的な豪雨。気を休める時間がない」と話した。