来春入社に向けた就職活動が本格化している。東京でも街のあちこちで、スーツを着た学生の姿が目立つ

 ▼会社説明会から面接など企業の選考解禁日までの期間が、昨年より短くなった。学生優位の「売り手市場」とはいえ、学生たちからは「十分な準備時間がない」と、“短期決戦”への焦りが聞かれる。自ら描く将来像と相談し、納得できる成果を挙げてほしい

 ▼経団連の新卒採用に関するアンケートによると、昨年の採用時に企業が重視した点は「コミュニケーション能力」で、12年連続の1位だった。回答企業の85%が選び、2位の「主体性」の60%に大差をつけダントツだった

 ▼コミュニケーション能力は長年求められているが、その他の要素に比べてより重視する傾向が強まっているのが目をひく。逆にみると、職場でうまくとれなくなっていることの証しとも言えよう

 ▼業績の数字ばかりに気を取られていないか。部下の声掛けに目を見て返しているか。社内のコミュニケーション力を培うのは、管理職や先輩の務めである。新人に求めるばかりでは、その後の結果は知れていよう

 ▼サラリーマン川柳の秀作にある。〈何故だろう 私がいないと うまくいく〉。「何故だろう」と疑問を抱くようになる前に、一度は見つめ直しておきたい自らの立ち居振る舞いである。(宮城栄作)