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  • 沖縄で深刻な「子どもの貧困」、解決の鍵は地域のつながり
  • 貧しくても人間関係が密だった昔と違い、今は社会から孤立
  • 行政の支援が届かない隙間を民間団体で支えていくことが重要

 個人や法人から寄せられた支援金などを子どもの貧困解消に役立てる、沖縄タイムス社の沖縄こども未来プロジェクト創設記念シンポジウム「未来支える~みえてきた子どもの貧困」(後援・沖縄経済同友会、連合沖縄)が14日、那覇市久茂地のタイムスホールで開かれた。市民ら300人が来場。沖縄大学の加藤彰彦名誉教授は基調講演で「子どもたちが安心して暮らせる居場所をつくることが、今取り組むべき貧困対策だ」と地域のつながりを再構築する必要性を訴えた。

基調講演する加藤彰彦沖縄大学名誉教授=14日午後、那覇市久茂地・タイムスホール

 加藤名誉教授は「貧困は経済的貧しさと、冷ややかな人間関係で孤立し、希望を打ち砕く」と説明し、貧しくても人と人とがつながっていた「貧乏」とは異なると指摘。「貧困で精神的にも立ち直れない状況になると、経済的に補填(ほてん)しても回復しない」と強調した。

 沖縄では低所得世帯やひとり親家庭の多くが貧困状態にあり、貧困の世代間連鎖も起きているとした。一方で、「貧しくても我慢している子どもたちがいる。子どもたちの話を聞かない限り、見えてこない」と述べ、行政の支援が届かない隙間を、民間団体で支えていく重要性を語った。

 支援団体の代表や県の担当者が登壇したパネルディスカッションでは、沖縄の貧困の現状が報告され、貧困に苦しむ家庭や子どもたちを社会全体で受け止めていく大切さを確認した。

 会場からは、県内大学へ通う学生向けの奨学金、離島や各市町村への母子生活支援施設の整備などを求める意見が挙がった。