台風7号に伴う強い風と激しい雨は、県内各地に深いつめ痕を残した。

 世界遺産に登録されている今帰仁村の今帰仁城跡。野面(のづら)積みと呼ばれる古い技法で造られた石積みの城壁の一部が、幅約9・7メートル、高さ約6・4メートルにわたって崩落した。

 14世紀に築城され、国の史跡にも指定されている今帰仁城跡の最大の魅力は、この石積みの城壁である。

 野面積みは、古い石灰岩を加工せず、そのまま積み上げていくため、石の大きさも形もまちまちだ。

 崩落したのは総延長約1・5キロの石積みの主郭東側である。

 龍のようにくねりながら、山の麓をはうように築かれた歴史的な城壁の一部が、その部分だけ、えぐり取られるように崩れ落ちてしまったのはなぜなのか。

 沖縄本島地方は半月ほどの間に台風6号、7号に相次いで見舞われ、大雨にたたられた。

 専門家による詳しい原因調査を進め、野面積みの特性を明らかにしてほしい。

 崩落原因の特定は、今後予想される局地的豪雨や大型台風、地震などの自然災害にどう備えるか、という問題にかかわるからだ。

 破損した歴史的建造物の修復にはさまざまな困難がつきまとう。歴史的な価値を傷つけることなく、同時に耐震化などの安全性にも留意しなければならない。

 自然災害からどのように歴史的建造物を守っていくか。今回の被災を通して突きつけられた課題は多い。

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 台風7号などの影響で3日、「50年に1度」という記録的な豪雨に見舞われた久米島町比屋定では、大規模な土砂崩れが発生し、山肌から削り取られた木々が県道242号をふさいだ。

 南風原町兼城の県営団地では2日、コンクリート製の外壁がはがれ落ち、がれきが飛び散った。

 幸いけが人はなかったが、この機会にあらためて思い出したいのは、高槻市の小学校4年生が大阪府北部の地震で、倒壊したブロック塀の下敷きになって亡くなった痛ましい事故である。

 ブロック塀は、建築基準法施行令で定められた基準を満たしていなかった。事故後の全国調査で、基準を満たしていないブロック塀が全国各地で確認されている。

 崖崩れや地滑りなどの土砂災害に関しては、さまざまな対策が講じられている。だが、個人にまかされている身の回りのブロック塀や古い建造物などの対策は遅れがちだ。

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 大雨被害は、沖縄から北海道まで、全国に及んだ。

 台風7号から遠く離れた地域でも、局地的豪雨による被害が発生し、沖縄では台風が通過したあとも、梅雨時のように雨が降り続いた。

 災害大国の日本は、地震、噴火、台風、大雨などさまざまな自然災害リスク(危険)を抱えている。

 防災・減災対策が強化されつつある半面、自然災害によるリスクも高まっている。まずは自分たちの住む地域のリスクを点検したい。